・住居購入
・車購入
・学費
・冠婚葬祭
など
“大きな出費”があるとき、ローンを利用する方は少なくありません。
・住宅ローン(数千万円)
・車ローン(数百万)
・学費(数百万)
・冠婚葬祭(数十〜百万)
現代の日本では、おおよそ20代から40代頃になると、いろいろな出費がかさんで、数千万円以上もの『借金』を背負うことになるのが一般的です。
しかし20〜40代というのは、まだまだ遊び足りない時期でもあり、背負っている多額の『借金』も忘れて、ついつい交遊や趣味などでお金を浪費してしまうもの……。
そして、支払いが間に合わなくなれば、キャッシングやカードローンなどを利用し、『借金』の支払いに充て、〔借金に借金を充てる〕という『借金スパイラル』に陥ってしまう方も多いようす。
『借金スパイラル』に陥ってから数ヶ月も経てば、キャッシングやカードローンの借金もかさみ、その頃になるとようやく「もう借金を返済できない!」という状況に気付くことになるはずです。
食費や光熱費、年金など、最低限度の生活を営むのに必要な『出費』と、支払わなければならない『借金』の支払額を合わせた[支出額]が、仕事で得る[収入]を超えたとき、その状態のことを一般的に〔破産〕と言います。
〔破産〕状態では、普通の生活はおろか、仕事だってままなりません。
もしも、〔破産〕状態になってしまったら、まずすべきことは「働いて働いて返済すること」ではなく、『債務整理』です。
記事の目次
≪債務整理とは?≫
『債務整理』と言うのは、簡単に要約すると、生活を圧迫する[借金]をなんとか整理して、すべての国民が基本的な生活を取り戻すチャンスを与えられる、国が設けている“お助けサービス”です。
・ 自己破産
——借金を含む資産を帳消しにし、自分の状況を『何もない状態』に戻す手続きです。
「いくら『何もない状態』に戻されたって、そこから“新たな人生”を歩むなんて無理だ」
そう思われる方も多いですが、〔自己破産〕で消滅するのは、『借金を含む資産』のみであって、強制的に仕事を辞めさせられたり、すべての持ち物を撤廃されたりなどすることはありません。
けれども、資産20万円までを限度にすべての資産を帳消しにする手続きなため、もしも数百万以上の価値がある車や住居を所有している場合は、それらを差し押さえられてしまいます。
しかしながら、自分の所有物でなくなればいいわけですから、20万以上の価値がある物の所有権をすべて家族や信頼できる友人に譲れば、仮に〔自己破産〕したあと、住居に住み・車を利用していても、それらを差し押さえられることはありません。
・ 任意整理
——『借金の返済額』を減らしたり、利息をなくしたりなどする手続きです。
通常、『借金の返済額』は、借入れ額に応じて決定されますが、〔任意整理〕を行えば、その返済額を低く設定してもらうことができます。
「返済額が低くなれば、それだけ返済期間が長くなり、総合的に利息で支払う分が多くなるのではないか?」
そう思われるかもしれませんが、〔任意整理〕を行なった場合、その後、借金における[利息が0円になる」ため、支払額が増えるということはありえません。
「利息が0円になるのなら、最初からやっておけば良かった」
〔任意整理〕を行うと、行なったのち5〜10年の間、借入れを行うことができなくなりますので、軽い気持ちで行なってはいけません。
・ 個人民事再生
——『住宅ローン』以外の借金を減額したり、利息をなくしたりする手続きです。
〔個人民事再生〕は、上の『任意整理』と内容が酷似していると思われるかもしれませんが、まったく別の手続きとなります。
「どこがどう違うんだ?」
細かく言えば『借金の減額・返済方法』が異なりますが、もっと分かりやすく言えば、『任意整理』と〔個人民事再生〕は併用することができるということ。
『任意整理』で減額してもらった借金でも、まだ支払いができそうにない場合、〔個人民事再生〕手続きをすることで、より返済額を減額できます。
また『自己破産』と違って、〔個人民事再生〕であれば住居を手放す必要がないため、住居の権利を保持したまま、借金の返済を軽くすることが可能。
警備員や保険社員などの職種に就く場合、『債務整理』は行えない原則がありますけれど、〔個人民事再生〕であれば利用できるという利点もあります。
≪Q&A≫
Q:ギャンブルで作ってしまった借金は『自己破産』できますか?
A:自己破産できる可能性は五分五分です。
少ない額の借金であれば、頑張って返済を求められたり、他の債務整理を勧められたりなどします。
また、多額の借金の場合は、軽い気持ちで遊んで、払えなくなったら社会に頼る悪質なタイプと思われ、『自己破産』が通ることはありません。
払えないこと、反省していること、今後は同じような失敗をしないことが伝わらなければならないため、どうしてもという場合は敏腕の弁護士に依頼しましょう。
Q:闇金で増えてしまった多額の借金は『債務整理』できますか?
A:できません。
そもそも(金融業法を守っておらず違法な貸付をしている)闇金で増えた借金は、[支払いの義務]がありません。
『債務整理』を利用するのではなく、警察に伝えて『法のチカラ』を利用しましょう。