他社借入件数は嘘をついたらどうなる?

新しくカードローンの審査に申し込みをする際には、必ず他社の借入件数を記入する欄が設けられています。

この項目に関しては、正直に記入するのが当たり前となっていて、嘘をついてしまうと、その時点で借り入れをすることが出来なくなります。
しかし、嘘をついている状態でも、一応最終審査までは進んでいくために、申し込み者の視点から見た場合は、嘘をついているせいで審査に落ちてしまったということは確認することが出来ません。

キャッシング会社に確認をしてみても、「審査の内容については公開することが出来ない」というように返事をされてしまうだけになっていますので、実際には他社借入件数で嘘をついてしまったことによって審査に落ちたという理由でも、申し込み者の立場だと分からないということになります。

今回は、カードローンに新規の申し込みをする場合の、他社借入件数について詳しく紹介していきます。

『なぜ、キャッシング会社は申し込み者の他社借入件数が分かってしまうのか』

申し込み時に他社借入件数について、嘘をついてはいけない理由の1つに、「キャッシング会社は申し込み者の他社借入件数が分かっている」ということが挙げられます。

これは、同業者の情報は企業内で共有しているということではなく、キャッシングやクレジットカードの利用履歴というのは、信用情報機関という機関に全て報告される仕組みになっていて、キャッシング会社は信用情報機関に記録されている情報を照会する権利を持っているために、申し込み者の情報が分かるということになります。

ちなみに、日本にある信用情報機関というのは3社だけになっていて、それぞれ「全銀協(全国銀行個人信用情報センター)」、「CIC(指定信用情報機関)」、「JICC(日本信用情報機構)」と呼ばれていて、一般的に銀行系のカードローンを提供しているキャッシング会社の場合は全銀協と他1つの信用情報機関に登録をしていて、消費者金融系のキャッシング会社の場合は、全銀協以外の2社に登録しているケースが多いです。

ほぼ全てのキャッシング会社が2社以上の信用情報機関に登録をしているために、申し込み者が他社借入件数で嘘をついてしまった場合でも、すぐに判明してしまうということが挙げられます。

『他社借入件数で嘘をついてしまうという心理は日本人特有のもの』

他社借入件数を申告する際には、正しく申告するのがベストということになっているのですが、日本人の多くは他社借入件数を過小報告したがる傾向にあります。

これは、日本の風習や文化が影響しているものだと思われますが、日本という国は先進国だとされていますが、先進国の中でもトップクラスにクレジットカードの使用率が低い国でもあります。

例えば、欧米諸国では基本的に現金は最小限しか持ち歩かずにクレジットカードや小切手で買い物をするという方が多くなっていますが、日本ではクレジットカードを使用することによって、「一時的にお金を借りている状態になる」ということを異常に嫌がる傾向にあります。

そのため、「他社からお金を借りている」という状態にある自分の状況をそのまま申告することによって、審査に悪い影響が出てしまうのではないかと意識してしまうことが問題です。

ちなみに、欧米諸国でカードローンやキャッシングなどに申し込みをする際には、他社の借入件数や借入金額を過大報告したがる傾向にあります。

これは、「借入金額が多いということは、その人の社会的信用が高い証拠だ」という文化が根付いているために、自分が借りている金額よりも高く申告することが多くなっています。

どちらが良いという話ではありませんが、過小報告も過大報告も正確な報告からは程遠いということになりますので、現在の自分が借りている他社の借入件数と借入金額を正確に把握して正直に申告するのが審査に通るための秘訣となります。

『他社の借入件数で嘘をついても良いことは何もない』

申し込み者は良かれと思って他社の借入件数で嘘をつくということが挙げられますが、実際に申し込み時に他社の借入件数で嘘をついたとしても良いことは何もありません。

まず、嘘をついている時点で、申し込みをしているカードローンには通過することが出来なくなってしまいます。

そして、1社に断られたからといって2社目で同じことをすると同じように審査に通過することが出来ません。

このようなことを3社、4社と繰り返してしまうと、申し込みブラックと呼ばれるブラックリストに記録されることになります。

これは、短期間に複数社に申し込みした場合に記録されるブラックリストとなっていて、これに記録されてしまうとキャッシング会社の申し込みをしても絶対に通過することが出来なくなってしまいます。

申し込みブラックリストの記録は、おおよそ半年間ほどで削除されることになりますが、カードローンを利用したいという人の場合、半年間も猶予があるというケースは稀だと思われますので、初めから正直に借入件数を申告して、1社目で借り入れが出来るようにしたほうがメリットも大きいということになります。