――キャッシングで一度に借り入れできるのは1社のみなの?
[お金を必要とするとき]というのは、だいたいの場合において重なるもので、同時にいくつかの銀行/消費者金融/信販会社から“借り入れを行いたい”と思う人は結構おります。
たとえばマイホームとマイカーを同時期にローン契約で買ったとき、毎月のローン支払いに切羽詰まって、「上司や同僚との飲み代や友人との交遊費に余裕がない」なんてことに……。
それ以外にも結婚や葬式、引っ越し、子供の大学進学なども同様で、同時期に[お金を必要とするとき]が重なると、どうしても“ひとつの会社からの借り入れ”じゃ追いつかないときってありますよね。
そんなとき、もしも『複数の金融機関からお金を借り入れ』したらどうなるのか、そのことについてなるべく分かりやすくまとめてみました。
これから複数社からの借り入れを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
≪同時借り入れに関する疑問と回答≫
疑問:同時期に何社まで借り入れできるの?
【回答】
個人の借り入れ情報は、金融機関(銀行/消費者金融/信販会社)と信用情報機関(JISS/CIC/KSC)にて管理・連携されていて、他の金融機関にてすでに借り入れしている場合は、新たにキャッシングやカードローンの審査受けてもハジかれてしまう……というウワサを聞いたことはありませんか?
――このウワサは半分は事実で、もう半分はデタラメです。
まず事実な部分ですが、それは「信用情報機関が借り入れ情報を管理・提携していること」「他社の借り入れがあるとき審査にハジかれてしまうこと」のふたつのポイントです。
たとえば、6ヶ月前にA社から150万円借り入れしていて、一度も金融事故を起こさず毎月5万円ずつ返済しているとき、B社にてキャッシング審査を行ったとします。
そのとき、B社では審査対象者の『どの程度の情報』を信用情報機関から得られるのか、というと――
・6ヶ月前にA社から150万円借り入れしたこと
・毎月5万円ずつ返済していること
・現在120万円の借り入れ額が残っていること
・金融事故を一度も起こしていないこと
――B社には、借り入れにおけるほとんどの情報が知られてしまいます。
そして次に、上記の噂におけるデタラメな部分ですが、それは「すでに借り入れしている状態で、新たに審査を受けてもハジかれてしまうこと」です。
確かに、〔他社の借り入れ情報〕によって、キャッシングやカードローンの審査にハジかれてしまうことはありますけれど、100%確実に審査にハジかれてしまうわけではありません。
[審査にハジかれる要因]
・短い期間にいくつもの金融機関から“借り入れ”を行っている
・返済ができておらず金融事故を起こしている
・借り入れ総額が“総量規制”のほとんど限界値
※ 総量規制とは?
総量規制とは、借り入れをする当人の年収の3分の1以下までしか、金融機関は貸し付けできないという法律。
(年収300万円の方は、借り入れ総額100万円までしか借りることができない)
上記の要因がない場合には、すでに金融機関から借り入れを行っていても、新たに他の金融機関から借り入れすることができます。
さらにまた、仮に上記の要因を含んでいる方でも、賃金業法ではなく銀行法を適用している銀行の場合には借り入れを行っても“総量規制”に該当しませんし、「なにがあろうと問題ない」という金融機関であれば借り入れ可能です。
まだ顧客の少ない消費者金融などは、審査が甘いところが多いので、どうしても借り入れが必要なときは探してみましょう。
※ 知る限りでは[消費者金融・3件/銀行・2件/信販・3件]という方がおりました。
≪多重債権時の注意点≫
・4社以上の金融機関からの借り入れグレーゾーン
――[3社から借り入れ]がある場合には、金融機関はその人物を通常より厳しく審査する傾向があります。
たとえ[3社から借り入れ]していても、それだけの返済力・経済力があれば、借り入れすることも可能。
・審査の厳しいところから借り入れ申請を優先
――複数社から借り入れする場合には、できるだけ『審査の厳しい(銀行や大手消費者金融など)』から審査を受けましょう。
理由は他の金融機関から複数借り入れしている状況で、審査の厳しい銀行などの審査を受けても、その審査が通る可能性が低いためです。
・同時申請の利用
――借り入れ情報が信用情報機関に送られるまで多少時間が掛かります。
そのため、即日審査のA社とB社の審査を同日に受けることで、借り入れ社数をわずかにごまかすことが可能。
銀行の借り入れ審査は一般的に時間がかかりますし、銀行の借り入れ情報はほとんどリアルタイムで反映されるため、銀行ではこの方法が通用しません。
・訴訟に注意
――誰が考えても返済できないのにもかかわらず、無責任にお金の借り入れをしてしまって、返済が追いつかなくなってしまったとき、金融機関から民事訴訟を起こされてしまう可能性があります。
出廷を求められた場合には、裁判所まで出向く費用(実費)や訴訟費用(請求)があるので、なるべく訴訟が起きないよう、返済できる範囲で借り入れを行うようにしましょう。