複数の消費者金融から借金をしている多重債務者にとって、収入のほとんどが借金返済に充てられ、ギリギリの生活を強いられているケースが多く、それを回避するために再び他社から借入れを行うという、悪循環を引き起こすのです。
ここで大切なのは、新たにお金を借りて今の状況を少しだけ良くするのではなく、現在の返済状況を把握し、少しでも負担を軽減させて借金を完済させることです。
そのためには、複数の借入れをひとまとめにして、完済に向けたスケジュールを立てることが大切であり、そのサポートをしてくれるのが「おまとめローン」です。
おまとめローンは、多くの消費者金融でも取り扱っていますが、今回は「アコムのおまとめローン」に特化して、その特徴や利用するメリット、申し込み方法などをご紹介していきます。
更に、アコムのおまとめローンを利用することで本当に返済負担が軽減されるかどうかについても、実際にシミュレーションをしながら検証していきたいと思います。
アコムのおまとめローンの特徴
アコムのおまとめローンは、「貸金業法に基づく借換え専用ローン」として提供されています。
「貸金業法に基づく」と前置きがあるのは、このおまとめローンが利用できるのは、「貸金業法の範囲内で借り入れた借金」に限定されているからです。
ローンを提供している金融機関には、アコムのような消費者金融の他にも、クレジットカード会社(信販会社)、銀行、信用金庫、労働金庫など様々あります。
このうち、アコムなどの消費者金融やクレジットカード会社(信販会社)は貸金業法の下で営業を行っていますが、銀行などはそれぞれの法律(銀行は銀行法、信用金庫は信用金庫法、労働金庫は労働金庫法)の下で営業を行っています。
こうした理由から、アコムのおまとめローンは、貸金業法に基づいたローンのみに適用されるわけです。
ここで、アコムの借換え専用ローン(おまとめローン)の貸付条件と、申し込みに必要な書類についてご説明します。
貸付条件
融資金額 | 1万円~300万円 |
金利 | 実質年率3.0%~18.0% |
使途 | おまとめによる返済負担の軽減 |
遅延損害金 | 年率20.0% ※遅延損害金とは、期日までに返済できないと発生する罰金で、返済期日の翌日から日割りで加算されます。 |
返済方式 | 元利均等返済方式 ※返済方式の元利定額返済方式とは、毎月の返済額を初回から最終まで一定金額に設定して返済していく方法です。返済期間は長くなる傾向にありますが、毎月支払う金額が同じなので債務者も安心して返済していくことができます。 |
返済期間 | 借入日より最長13年7か月 |
返済回数 | 2回~162回 |
担保 | 原則不要 |
保証人 | 原則不要 |
必要書類
本人確認書類 | 運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなどの顔写真が掲載されている身分証明書、または健康保険証 |
収入証明書 | 源泉徴収票、確定申告書、所得証明書、給与明細書のうち、直近のもの1点
※マイナンバーカードの場合、提出する際には個人番号と本籍地部分を隠して(写しは塗りつぶして)おきます。 ※健康保険証の場合、更に住民票(本籍地・個人番号・住民票コードが記載されていないもの)、公共料金(電気・ガス・水道など)の領収書、納税証明書(直近6か月以内のもの)のうち、いずれか1つを一緒に提出します。 ※提出書類の住所と現住所が異なる場合、本人確認書類・収入証明書に加え、健康保険証(表面・裏面)、住民票(本籍地・個人番号・住民票コードが記載されていないもの)、公共料金(電気・ガス・水道など)の領収書、納税証明書(直近6か月以内のもの)のうち、いずれか1つを提出します。 ※口座振替を利用する場合には、加えて利用する口座番号が分かるもの(通帳・カード)と届出印も準備しておきます。 |
アコムのおまとめローンを利用するメリット
アコムのおまとめローンを利用することで、様々なメリットを得ることができます。
メリット①:毎月の返済額が減る!
複数借入れでは、それぞれの借入額に対して利息が掛かり、無駄な利息を払っていることになります。
アコムのおまとめローンを利用することで、利息がアコム借入分のみとなります。
このとき、複数借入分をまとめるためアコムでの借入額は増えることになりますが、その分低金利で借入れができます。
これにより、無駄な利息がなくなり、以前よりも月の返済額が少なくなります。
メリット②:月の返済日が1回に減少!
返済期日は、消費者金融によって異なるほか、ローンの返済方法(口座振替など)によっても異なります。
従って、多重債務者の場合には、1か月に複数回の返済日があることになり、それらを毎月きちんと管理していかならず大変です。
アコムのおまとめローンを利用すれば、返済日は月に1回となり、延滞することなくきちんと返済していくことができるようになります。
メリット③:借入残高が確実に減る!
アコムのおまとめローンで採用されている元利定額返済には、月の返済額に利息と元金が含まれているので、段階的に残高を減らしていくことができます。
返済開始時期は利息の充当率のほうが高いですが、徐々に元金に充てられるようになるため、確実に完済することができます。
アコムおまとめローンでシミュレーション
ここで、多重債務者がアコムのおまとめローンを利用した場合、利用する前と利用した後では、返済状況がどの程度変化するかをシミュレーションしてみましょう。
※ここでは、アコム以外の3社から合計150万円を借入れ中とし、その内訳は以下の通りとします。
*借入額:70万円
*金利:実質年率20.0%
*返済回数:50回
*月の返済額:20,744円
*返済総額:1,037,182円
*利息総額:337,182円
*借入額:50万円
*金利:実質年率20.0%
*返済回数:40回
*月の返済額:17,226円
*返済総額:689,037円
*利息総額:189,037円
*借入額:30万円
*金利:実質年率20.0%
*返済回数:40回
*月の返済額:10,335円
*返済総額:413,420円
*利息総額:113,420円
※上記の場合、1か月の返済額は48,305円、返済総額は2,139,639円(うち、利息総額は639,639円)となります。
アコムのおまとめローンでシミュレーション
アコムのおまとめローンで150万円を借り入れ、実質年率15.0%、返済回数を50回と45回にした場合でシミュレーションしていきます。(アコムでは、金利15.0%の場合には78回まで分割可能です)
◎返済回数50回の場合
*月の返済額:40,526円 (借換え前より-7,779円)
*利息総額:526,298円 (借換え前より-113,341円)
*返済総額:2,026,298円 (借換え前より-113,341円)
◎返済回数45回の場合
*月の返済額:43,785円 (借換え前より-4,520円)
*利息総額:470,310円 (借換え前より-169,329円)
*返済総額:1,970,310円 (借換え前より-169,329円)
シミュレーションまとめ
アコムのおまとめローンを利用せずに返済を続けていると、150万円の借入れ総額に対し返済総額は約214万円にもなり、約64万円もの利息を支払うことになります。
一方、おまとめローン(45回払い)を利用すれば、以前より返済総額は約17万円も減額できます。
この場合では、月の返済額はそれほど変わらない結果となっています。
ですが、総額で考えると大きな差が出ていることが分かります。
17万円近くも無駄な利息を払うより、その分を自身のことに利用したほうが良いですね。
アコムおまとめローンの申し込み方法
アコムのおまとめローンの申し込み方法をご紹介します。
カードローンは公式サイトの入力フォームより申し込みができますが、おまとめローン(借換え専用ローン)はフリーダイヤルからの申し込みとなります。
ここでは、申し込みの流れに沿ってご説明していきます。
(1)申し込み
アコムのフリーダイヤルに連絡し、借換え専用ローンに申し込みたい旨を伝えます。
※担当のオペレーターが、申し込みに必要な書類や事前手続き等について説明してくれるので、メモを取りながら聞きましょう。
(2)必要書類を準備して店舗・自動契約機(むじんくん)へ行く
上記でご説明した必要書類をもって、最寄りの「アコム店舗」または「自動契約機(むじんくん)」へ行きます。
※店頭の場合はアコムスタッフの指示に従い、自動契約機(むじんくん)の場合は画面の指示に従って申し込み手続きを行います。
(3)審査結果の通知
自動契約機(むじんくん)・店舗のどちらの手続き方法でも、その場で審査結果を聞くことができます。
審査を通過した場合には、その後の指示に従って契約手続きを行います。
(4)融資の実行
アコムが契約者名で他社へ振り込みを行ってくれます。
自身で振り込みをする場合には、後日アコムへ他社清算書類を提出することになるので、捨てずに保管しておきましょう。
アコムおまとめローンの注意点
おまとめローンは、複数の借入金を1つに合算することで、負担となっていた返済を軽減させる効果が得られますが、全ての多重債務者が負担軽減効果を得られるというわけではありません。
借入残高や返済回数などによっては、おまとめローンを利用する前よりも月の返済額や返済総額が増えてしまう可能性があります。
従って、まずはアコムの公式サイトでシミュレーションを行い、返済額を比較するようにしましょう。
同時に、アコムのフリーダイヤルに連絡して、おまとめローンについて相談することをおすすめします。