アコムで借入れをする場合、手続きの際に「契約極度額」が設定されます。
この金額は、申込者ごとに異なっています。
アコムでは、各ローンに融資可能額が設定されていますが、契約極度額が設定されているため、全ての方が融資可能額まで借入れができるわけではないのです。
そこで、今回はアコムの契約極度額とは何かをご紹介するとともに、設定する理由や限度額との違いについても、詳しく触れていきたいと思います。
記事の目次
契約極度額とは?
アコムのカードローンは、専用カードを発行してもらうことで、契約で設定した上限額の範囲内であれば、いつでも何度でも借入れが可能となっています。
このようなカードローンの貸付方法を正式名称で「極度方式貸付」といい、契約書内で設定する貸付限度額を「契約極度額」といいます。
契約極度額を設定しているのはアコムだけではなく、カードローンを提供している金融機関ならば、どこでも設定しています。
契約極度額は、アコムが提示した上限額に申込者が納得することで、設定されて契約書に記載されるものです。
つまり、貸し付ける側と借りる側の双方が合意の上で決定する金額となり、簡単に変更することはできません。
契約極度額と利用限度額の違い
個人向けのカードローン契約では、「契約極度額」の他に「利用限度額(限度額)」も設定する必要があります。
この2つの上限額は、一見すると同じようにも感じますが、実は大きな違いがあります。
「契約上の上限額」・「現時点で借入可能な上限額」の違い
利用限度額とは、「現時点で借りることができる金額」をいい、実際に借入れできる上限額を指します。
なぜ、利用限度額を設定するのかというと、個人では貸付総額に制限があるからです。
アコムなどの消費者金融業者は、「貸金業法」という法律に基づいて適正な営業を行っていますが、この法律には「総量規制」と呼ばれる制限規定があります。
総量規制とは、「個人の貸付総額を年収の3分の1までに抑えなければならない」というもので、債務者が借金苦に陥らないように保護するのが目的です。
アコム以外から借入れをしている場合、アコムとの契約では他社借入総額を含めていくらまで貸付ができるかを判断し、利用限度額が設定されます。
利用限度額の平均金額は30万円~50万円ですが、アコム以外から複数借入があると、利用限度額は低く設定されることになります。
利用回数が1回か極度額内で制限無しかの違い
利用限度額は、あくまでその時点で借りることができる金額であるため、1回ごとに変動します。
一方、契約極度額は一度設定すると、アコムから強制解約をされない限り、何度でもその範囲内で利用することができます。
増額・減額ができるかできないかの違い
契約極度額は、一度設定すると簡単に増減額させることはできません。
しかし、利用限度額は増減させることが可能です。
利用限度額は、現時点で借入れができる上限額であり、債務者の返済状況はそのときによって変化します。
延滞することなく、毎月きちんと返済することができれば、アコムでの利用限度額を増やしてもらえる可能性があり、毎月の返済が滞りがちになると、限度額は現時点よりも減らされる可能性があるのです。
契約極度額を設定する意味は?
契約極度額と利用限度額の特徴を見てみると、利用限度額だけ設定すれば契約極度額を設定する必要がないように感じます。
しかし、利用限度額は一度限りの上限額であり、再び借入をする場合には、再度申しこみ→審査→契約とステップを踏まなくてはならず、手間が掛かってしまいます。
カードローンは、ローン専用カードを使って借入れを行いますが、利用限度額しか設定されないと、利用の度に審査・契約をしなくてはならず、カードを使う(好きな時に自由に利用する)意味がなくなってしまいます。
そのため、カードローンの契約では、契約極度額を設定する「極度方式貸付」とし、その契約極度額の範囲内であればアコムから何度でも借入れができるようにしたのです。
アコムの契約極度額はどのような基準で決まる?
では、アコムはどのように契約極度額を設定しているのでしょうか?
アコムカードローンの融資限度額は800万円となっており、単純に「アコムなら800万円まで借りられるんだぁ。」と思ってしまいがちですが、ほとんどの方は800万円が契約極度額となることはありません。
それはなぜかというと、上記の利用限度額でもご説明しました「総量規制」に基づく貸付制限や、契約者それぞれの信用度(取引履歴・返済能力・金融事故など)を考慮して設定されるからです。
契約極度額が800万円に設定できるということは、単純に計算して年収が2,400万円以上ある方ということになり、これだけの年収があれば、通常アコムで借入れをする必要もありませんね。
契約極度額を設定する場合には、契約者の信用度の他に属性も大きなポイントとなってきます。
属性とは、その人の個人情報(氏名・性別・年齢・家族構成・年収など)のことで、これらの情報をもとに契約極度額が設定されていきます。
アコムに限らず、どの消費者金融にも共通するポイントとして、契約極度額が比較的高めに設定されやすい人は「正社員(公務員)」、予想よりも低く設定される可能性がある人は「低所得の方」・「他社借入中の方」などです。
やはり、ある程度安定した収入が無いと、契約極度額を高めに設定することは難しいようです。
この点も踏まえて、アコムではどのように契約極度額を設定していくのかを、実際にアコムと契約した方のケースと共に見ていきましょう。
《ケース①:入社1年目のAさんの場合》
*年齢:25歳
*雇用形態:公務員
*年収:250万円
*給与形態:固定給制
*勤続年数:7か月
*居住形態:賃貸
*家賃:6万5,000円
*他社借入:1社・30万円
*婚姻関係:未婚
※Aさんの場合、公務員であり固定給制であることから、安定した収入があることが分かります。
単純計算すると、250万円(年収)×1/3(総量規制)-30万円(他社借入分)=約53万円となり、50万円程度の契約極度額に設定することも可能ですが、他社借入があるため、その点がマイナスポイントとなっています。
しかし、未婚であり扶養家族がいないことから、ある程度の返済能力はあると判断され、契約極度額は総量規制スレスレの50万円に設定されました。
《ケース②:転職後1年未満のBさんの場合》
*年齢:36歳
*雇用形態:正社員
*年収:260万円
*給与形態:固定給制
*勤続年数:半年
*居住形態:賃貸
*家賃:6万円
*他社借入:1社・35万円
*婚姻関係:未婚
※Bさんは、Aさんと比べ年齢は10歳以上も上であり、年収も10万円も高いですが、契約極度額は30万円に設定されました。
Bさんであれば、260万円×1/3-35万円=約51万円から、Aさんと同様に総量規制スレスレの50万円に設定することも可能です。
しかし、年齢が36歳で転職してまだ半年しか経っていないことから、また転職をする可能性が考えられるほか、他社借入が35万円あることが大きなマイナスポイントとなっています。
ただ、正社員・固定給・未婚という点はプラスになるため、Bさんの契約極度額は30万円に設定されたのです。
契約極度額の設定基準まとめ
この2つのケースから、アコムの契約極度額を設定する場合には、「正社員(公務員)」・「固定給」・「扶養家族がいない」という点がプラスポイントとなります。
特に、公務員の方は収入が安定していることから、契約極度額は総量規制の範囲内スレスレに設定してもらえる確率が高いです。
一方、「正社員でない」・「年収が低い」・「勤続年数が短い」・「他社借入がある」・「扶養家族がいる」という点はマイナスポイントとなる可能性が高いです。
特に、正社員以外の雇用形態の場合、勤務時間や収入に変動が起こる可能性があり、安定した収入を継続できる確率が低いと判断される可能性が考えられます。
アコムの契約極度額を増額できることもある!?
これまで、契約極度額は一度契約で設定すると簡単に変更することはできないと説明しましたが、全く変更できないわけではありません。
毎月きちんと返済をしていくことで、アコムが契約極度額の増額を認めるケースもあるのです。
しかし、アコムの契約極度額を増額する場合には「増額審査」を通過する必要があります。
契約極度額が増えるということは、借入金額の上限額がアップすることになり、その分返済能力もアップしていなくてはなりません。
そのため、アコムの申し込み審査よりも条件が厳しくなる傾向にあります。
契約極度額の増額は、自ら申請して増額審査を通過することで可能となりますが、アコムでは会員向けメールにて契約極度額の増額を案内することもあります。
このような案内メールが届くと、自分は契約極度額の増額ができるのだと思いがちですが、案内メールが届いたからといって増額審査を通過できるわけではありません。(口コミでは、案内メールが来た方の中には、増額審査に落ちている方もいました)
アコムの契約極度額の増額申請は、「アコム公式サイトの会員ページ」・「電話」・「店頭窓口」・「アコム専用ATM」・「自動契約機(むじんくん)」などから行えます。
各申請方法の受付時間と審査時間は以下の通りです。
*会員ページ:24時間・即日回答(ただし、22:50~翌朝8:00の間の申し込みは、9時以降の回答になります。)
*電話:アコム総合カードローンデスク(0120-629-215)で9:00~18:00・即日回答
*店頭窓口:土日祝以外の平日9:30~18:00・即日回答※本人確認書類が必要です。
*アコム専用ATM:24時間・即日回答(ただし、22:50~翌朝8:00の間の申し込みは、9時以降の回答になります。)
*自動契約機(むじんくん):9:00~21:00(年中無休※年末年始除く)
・即日回答※本人確認書類が必要です。
【営業時間が異なる店舗】
・池袋北口むじんくんコーナー 9:00~ 20:00
・松本駅前むじんくんコーナー 9:00~ 20:30
・高田馬場むじんくんコーナー 9:00~ 20:00
・新宿西口むじんくんコーナー 9:00~ 20:30
・登戸むじんくんコーナー 9:00~ 20:00
・近鉄難波むじんくんコーナー 平日 9:00~ 20:30 土日祝 9:00~ 19:00