――お金(現金)を借りたい。
そう思い立って、いざ“借り入れ”を利用し始めようとしたとき、おそらくまず目につくのが≪キャッシング≫と≪カードローン≫という単語だと思います。
≪キャッシング≫については“キャッシングカード”という単語から連想される通り、『お金(現金)を借入できるシステム』と理解できる方が多いですけれども……、
≪カードローン≫
については「?」と思う方が意外にも多い。
そのうえ≪カードローン≫は、やはり“ローン”と付くから「住宅ローン」や「自動車ローン」などと同様、高額な商品を購入の際に役立てる『債権・借り入れるシステム』と誤解する方も少なくありません。
しかしながら、実のところ≪カードローン≫も≪キャッシング≫と同じく、『お金(現金)を借入できるシステム』です。
――では、どこがどう違うのか?
名称がまったく違うのに“概要がまったく同じ”なんて、そんなややこしいことがあるわけありませんよね。
もしも、概要がまったく同じであったなら≪キャッシング≫か、もしくは≪カードローン≫のどちらかの名称ですでに統一されているはず。
――“違い”が気になる……。
そんなわけで此度は、≪キャッシング≫と≪カードローン≫の違いについて、それぞれの情報をもとに徹底的に比較解説します。
キャッシング・カードローン違いについて
※ 下記のキャッシング・カードローンの概要は、あくまでサンプルです。
キャッシング(サンプル社)概要
- 融資可能額:500万円まで
- 返済方式:残高スライド元利定額返済方式
- 金利:18.0%/年率
- 金利適用方式:単一金利
- 遅延利率:20.0%/年率
- 使途:自由
- 担保・保証人:不要
- 返済期間:最長6年9ヵ月
- 返済回数:1~80回
- 提出書類:本人確認書類・収入証明書
カードローン(サンプル社)概要
- 融資可能額:300万円まで
- 返済方式:元利定額返済方式
- 金利:18.0%/年率
- 金利適用方式:単一金利
- 遅延利率:20.0%/年率
- 使途:自由
- 担保・保証人:不要
- 返済期間:最長10年
- 返済回数:1~120回
- 提出書類:本人確認書類・収入証明書
――“違い”は、お分かりでしょうか?
- ≪キャッシング≫
- 融資可能額:500万円まで
- 返済方式:残高スライド元利定額返済方式
- 返済期間:最長6年9ヵ月
- 返済回数:1~80回
- ≪カードローン≫
- 融資可能額:300万円まで
- 返済方式:元利定額返済方式
- 返済期間:最長10年
- 返済回数:1~120回
≪キャッシング≫と≪カードローン≫とでは、上記4点に“差異”があります。
まず『融資可能額』について……
「カードローンの方が、融資可能額が高い設定じゃないの?」
――そう疑問を抱かれた方が多数いらっしゃることでしょう。
確かに、従来までの≪キャッシング≫と≪カードローン≫であったなら、≪キャッシング≫は“小口融資”、それに対して≪カードローン≫は“大口融資”というような認識が一般的でした。
しかしながら昨今では、≪キャッシング≫の方が『融資可能額』が比較的に高く設定されています。
その理由のひとつが、賃金業法の“総量規制(当人の年収の3分の1以上は借入できない仕組み)”が設けられたこと。
年収300万の人であれば、消費者金融にて借りられる『借入可能額』は≪キャッシング≫であれ≪カードローン≫であれ“最高100万円まで”。
簡単に言えば消費者金融側が≪キャッシング≫でも≪カードローン≫でも、“総量規制”がある限りほとんど変わりないため、どちらにしろ『融資可能額』をそれほど気にしなくなったということです。
そして、もうひとつ理由がありますが、それに関しては下記の≪まとめ≫にて解説します。
次に『返済方式』について……
「残高スライド元利定額返済方式」と「元利定額返済方式」の違いは、おおまかに言えば今後の“返済計算の仕方”です。
残高スライド元利定額返済方式というのは、現在の借入総額と照らして“毎月定められた額”を決定し支払う方式。
元利定額返済方式というのは、“定められた一定の額”を支払い続ける方式。
何やらややこしくなってしまいましたが、ようするに以上ふたつの≪違い≫は、“スライドするか否か”。
そうは言っても、あくまで元となる原型は「元利定額返済方式」であり、「元利定額返済方式」にて『定額』と解釈されているのは“残高に対する一定の額”を示していて、「元利定額返済方式」であっても残高が減って行けば自然と“支払い返済額”も変動します。
そして「残高スライド元利定額返済方式」になると、「元利定額返済方式」の“残高に対する一定の額”の区分けがより大雑把になり、ざっくりしているためスライド式というような具合い。
(どちらも長期支払い目的の返済方式ですが)どちらかと言えば「元利定額返済方式」の方がより長期間に渡って支払うことに適した方式です。
『返済期間/回数』について……
見ての通り、どちらかと言えば≪カードローン≫の方が“長期の支払い”を目的としたシステムであることが分かります。
まとめ
≪キャッシング≫と≪カードローン≫――従来はそれぞれのシステムに大きな差異があり、“目的と形式”によって名称を変えていましたけれども……
現在に至っては、どちらもほとんど≪変わりありません≫。
人や会社によって、言い方を変えているだけで“中身は同じ”です。
日本語では「金」、アメリカでは「MONEY」というような、ただの“言葉の違い”ですので、ご安心ください。