多重債務や自己破産した経験があるといった、いわゆるブラックが理由でどこからもお金を借りられなくて困っている人も多いのではないでしょうか?
信用情報に傷があるブラックの人がお金を借りたい場合は、多重債務者を対象に貸付を行っている生活サポート基金に相談するのが良いですよ。
生活サポート基金は家計が苦しい人の生活を立て直すと言う目的があり、金融機関の審査に通らない人でも融資を受けられます。
ただ、生活サポート基金は金融機関ではなく、一般社団法人であるため、銀行や消費者金融と審査基準が異なります。
今回はそんな生活サポート基金でお金を借りる方法などをご紹介しましょう。
生活サポート基金とは?
生活サポート基金とは、多重債務や定収入などといった理由によって、生活が困窮している人を救済するために設立された一般社団法人のことです。
生活苦に陥っている人の生活向上を目的としており、家計の立て直しに必要な貸付や相談支援を行っています。
例えば、多重債務者や債務整理をした経験のある人は、金融業界では貧困層であると認識されるためお金を借りることは難しいでしょう。
しかし、生活サポート基金はマイクロファイナンスと呼ばれる貧困層向けの小口融資に取り組んでいて、銀行や消費者金融から貸し渋りされた人でも貸付対象になります。
生活サポート基金が貧困層にマイクロファイナンスの思想を取り入れる旨については、全国労働金庫協会の公式ホームページにも記載されています。
簡単に言うと、生活サポート基金はどこからもお金を借入できない人が支援してもらえる最終手段と言うこと。
単に融資を受けられるだけでなく、今後の生活を改善するために長期的な相談支援やサポートをしてくれます。
生活サポート基金の具体的な活動は以下の様になっていますよ。
- 生活相談
- 生活再生資金の貸付事業
- 個人再生ファンド
それぞれの活動について、詳しくご紹介しましょう。
家計を立て直すための生活相談
生活サポート基金では、多重債務者や困窮していて十分な生活をおくれていない人を対象に生活相談を行っています。
お金にまつわる悩みはもちろん、生活を送る上で困っていることであれば幅広く対応してくれますよ。
生活サポート基金に相談出来る具体的な内容は、以下の通りです。
相談内容 | 詳細 |
債務整理 | 借金の整理・債務整理の方法・借入の一本化・ヤミ金または保証債務等 |
家計管理 | 生活バランスの見直し・家計簿の作成または管理 |
公的支援 | 学費の調達・社会福祉協議会への申請・雇用施策・融資制度等 |
生活保護 | 生活保護の申請・支給金額等 |
契約関連 | 悪質商法・損害賠償・カードトラブル・契約の取消しなど |
不動産 | 不動産の差し押さえまたは競売・所有している不動産の価値など |
住居移転 | 転居費用の捻出・引っ越しおよび残物処理・ホームレス施設の紹介 |
相続または財産 | 相続の説明手続き・成年後見制度の説明など |
弁護士または司法書士の紹介 | 弁護士または司法書士、法テラスなどその相談センターの紹介 |
依存症問題 | ギャンブル・借金・買物・薬物・酒などの依存症 |
家族関連 | 家計負担の非協力・家庭内暴力・虐待等 |
職場関連 | 給料の指し押さえ・人間関係・勤務時間等 |
とても幅広く扱っているのが分かりますね。
例えば、低所得で生活が苦しいひとが生活サポート基金に相談した場合、現状の家計を把握して状況を改善するための解決策を一緒に考えてもらえます。
生活サポート基金の相談員は自治体などのスーパーバイザーとして10年以上のスキルを持っているため、一人一人の悩みに合わせて適切にアドバイスしてもらえるのが特徴です。
生活相談をおこなったうえで、資金が必要であると判断された場合は貸付について案内されます。
生活再生資金の貸し付け事業
生活が困窮していて、生活再生資金が必要だと判断された場合は、生活サポート基金で融資を受けることができます。
生活サポート基金が設けているローンの種類は以下の通りです。
ローンの種類 | 利率 | 担保 | 連帯保証人 |
生活再生ローン | 年12.5%以内 | 必要に応じて動産・不動産 | 原則1が必要 |
不動産担保融資 | 年6.0%~9.5% | 不動産 | 原則なし |
生活サポート基金は利益を目的としていないため、いずれも低金利で融資をうけられる利点があります。
ただし生活サポート基金はローンのみの利用には対応しておらず、相談支援を受けることが前提条件になります。
生活サポート基金が遵守している消費生活協同組合法では、融資をおこなう場合に利用者の生活を立て直す計画をたてなければいけないと定められているからです。
カードローンのように自由度の高い借入方法ではありませんが、自己破産者や多重債務者が融資を受けられるのは、生活サポート基金のみなので、利用した方が良いでしょう。
個人再生ファンドで貸し付け事業の原資を募集
生活サポート基金は、自社の貸付事業に必要な原資を個人再生ファンドで集めています。
個人再生ファンドで集めた原資から相談者に融資を行い、返済されたお金を配当として組合員に返還する仕組みです。
生活サポート基金は個人再生ファンドに出資している組合員によって支えられているため、助け合いの精神で借りられるお金であるという事に対する理解を求められます。
わずらわしく感じるかもしれませんが、生活サポート基金でお金を借りたいのであれば、相談員に好印象を与えられるように感謝の気持ちをアピールしましょう。
金融機関や公的融資制度との違いは自己破産者でも利用できること!
生活サポート基金と金融機関および公的融資制度の違いは、自己破産者でも利用できる所です。
前述で解説したように生活サポート基金はどこからも、お金を借りられ無い人の生活を立て直す目的があるため、自己破産などの債務整理をしている人でもお金を借りられます。
生活サポート基金と金融機関及び公的融資制度の貸付対象を比較した結果は以下の通りです。
信用情報に異常がない人 | 金融事故情報登録者 | 複数債務者 | 債務整理 | |
生活サポート基金 | × | 〇 | 〇 | 〇 |
公的融資制度 | 〇 | 〇 | × | × |
金融機関 | 〇 | × | × | × |
生活サポート基金は、自己破産者だけでなく債務に苦しんでいる人を広く貸付対象としています。
一方で公的融資制度は、生活苦に陥っている国民を救済する目的はあるものの、国が財源である事から自立して完済できない人は、貸付対象外になってしまいます。
金融機関に関しては、借入金を踏み倒されると経営が成り立たなくなるため貸付対象とする幅が狭く、少しでも返済を延滞する可能性がある人には融資を行いません。
自己破産のような金融事故を起こした記録は約5年間信用情報に残っていて、消去されるまでは、審査に通過出来ない実情があります。
自己破産や金融事故を起こした経験のある人は、公的融資制度や金融機関に申し込んでも審査落ちとなってしまうため、お金を借りたいのなら生活サポート基金を選んだ方が良いでしょう。
生活再生ローンで一時的に必要な生活を借りられる
生活サポート基金の生活再生ローンでは、一時的に必要な生活費を借りられます。
借りたお金の資金使途は幅広く、以下のような場合に利用できます。
- 消費者金融や銀行からの借り入れを返済するための資金
- 税金や公共料金を支払うための資金
- 金融機関からお金を借りられ無い場合の生活費
- 債務整理をするための費用
- 自己破産後に生活を立て直すための資金
- 子供の学費を支払うための資金
生活再生ローンで借りたお金は生活費だけでなく、消費者金融や銀行ローンの返済にも利用出来るのが特徴です。
生活サポート基金でお金を借りる条件や審査条件は?
結論からいうと、生活サポート基金の貸付条件や審査は甘いわけではありません。
それでもお金を借りられなくなった人への貸付なので、金融機関や公的融資制度に比べると基準が緩やかな印象があります。
生活サポート基金は借入金の回収よりも、相談者の支援が優先事項であるため、以下の条件を満たしていれば融資を受けられます。
- 安定した収入を得ている
- どこからもお金を借りられない
- 関東エリアに住んでいる
- 連帯保証人をお願いできる人がいる
- 生活再建の意思がある
上記の条件を満たしている人が借入を受けることができます。
注意してほしいのは、全国対応ではなく関東に居住している人のみという点です。
生活サポート基金は東京都に拠点を置く一般社団法人で、関東エリアに住んでいる人を相談支援および融資の対象にしています。
また、連帯保証人が必要という点も注意が必要ですね。
生活再生ローンでお金を借りるには?
生活サポート基金の生活再生ローンでお金を借りるには、あらかじめ電話または公式ホームページのお問い合わせフォームで生活相談の予約を取っておく必要があります。
生活サポート基金は年間6300件以上の電話相談を10人程度で対応していて、急に来訪しても受け付けてもらえないケースがあるので注意が必要です。
融資までの流れ
それでは予約から、借入までの融資の流れをご紹介しましょう。
- 電話または公式ホームページで予約をする
- 面談および生活相談
- 生活再生ローンの審査
- 生活サポート基金と契約する
- 振込で融資を受ける
1つずつ詳しく紹介しましょう。
1.電話または公式ホームページで予約をする
電話または公式ホームページで生活相談の予約を取りましょう。
急いでるのなら電話の方が確実ですよ。
ただし、土日祝日は休業日なので、営業時間内に電話をしましょう。
生活サポート基金の電話番号や公式ホームページは以下のようになっています。
電話番号 | 03-5227ー7260 |
予約フォーム | https://www.ss-k.jp/contact/ |
営業時間 | 平日月~金曜日9時30分~18時 |
休業日 | 土日祝日 |
2.面談及び生活相談
面談では家計が苦しい状況を詳しく説明し、融資を受けたい旨を伝えると生活再生ローンの利用を案内してくれます。
生活再生ローンの申込み用紙は、名前は年収など不備のないように記入しましょう。
3.生活再生ローンの審査
生活再生ローンの審査では、面談および生活相談の内容や申込者の年収などを基に貸付の可否を判断します。
結果が通知されるのは、申し込んでから2週間~1ヶ月後です。
借入を急いでいる場合は、事前に伝えておくと優先的に審査を進めてもらえるケースもありますので、相談しましょう。
4.生活サポート基金と契約する
審査に通過したら、生活サポート基金と金銭消費貸借契約を締結します。
契約内容を確認し、サインをすると融資を受けることが可能になります。
5.振込で融資をうける
生活サポート基金と契約を締結すると、2日~1週間程度で希望する金額を自分の銀行口座へ振り込んでもらえます。
急いでいる場合であっても、生活サポート基金の本部でその日のうちに借入金を受け取る事が出来ませんので、注意してください。
また融資の限度額は年収の3分の1までになります。
生活再生ローンの返済方式は?
生活再生ローンの返済方式は「元利均等/元利一括」のどちらかです。
元利均等方式は毎月の返済額が一定で、その中に元金と利息が返済に含まれています。
毎月の返済額は同じなので、返済計画が立てやすいというメリットはありますが、利息が多く返済総額も大きくなりやすいというデメリットもあります。
元利一括方式は、借入期間として定められた期限の最終日に元金と利息を一括で支払う返済方法です。
月々の返済負担は抑えられますが、期日にまとまった金額を返済出来るようにお金を用意しておく必要があります。
生活再生ローンの返済期間は?
1ヶ月(1回)から最大120ヶ月(120回)になります。
生活再生ローンの金利は?
- 年12.5%以内
- 遅延損害金14.6%
消費者金融と比べると金利は低いと言えますが、「低金利のローン」とは言えません。
生活サポート基金の相談は無料ですし、融資を受けたあとも徹底したフォローがあるので、利息は仕方ないともいえますね。
お金の相談のプロからのアドバイスの結果として受ける融資となるので、借りすぎる心配はないでしょう。
まとめ
生活サポート基金は、最短30分などの簡単な審査でお金を貸してくれるような貸金業者ではありません。
借入のためには面談が必須で、逆に大変慎重といえるでしょう。
ただし、生活サポート基金の場合、困っていることに応じた関係基金の紹介や弁護士の紹介など、サポートが欲しい時は助けてもらうことができます。
ブラックの人でも借入はできますが、連帯保証人が必要、そして関東エリアという条件があるので注意が必要ですね。
借金問題を根本的に解決して、生活を立て直したいと思っている人にとってはありがたいといえるでしょう。