商品購入し料金を支払うときに、後払いサービスを利用する人が増えています。
従来は会計時の現金支払いやクレジットカード払いなどの前払いが主流でしたが、近年後払いが増えているんですよね。
ネットショップから商品を購入するときに「クレジット番号入力をするのはイヤ」と言う人や「クレジットが作れない未成年者」等の人でも利用出来るので広まったのでしょう。
しかし、支払期日を忘れてしまったり、予定外の出費で決済を滞納、延滞してしまう場合もあります。
そんなときはどのような影響があるのでしょうか?
最悪ブラックリスト入りするのか?延滞や滞納するとどうなるのか?
そんな疑問にお答えするために色々とご紹介しましょう。
記事の目次
後払い決済とは?
後払い決済とは、ECサイトで購入された商品を受け取った後、コンビニエンスストア・銀行・郵便局などで代金を支払う決済手段になります。
支払いの際の請求書は、発送された商品等と同梱される場合と別に送られてくる場合があります。
後払い決済の仕組みは?
後払い決済は、おもに以下の二つの仕組みで運用されます。
- ECサイトや販売事業社が自社で提供するもの
- 後払い決済代行サービスに債権を譲渡するもの(債権譲渡型後払い)
自社で後払い決済を提供する場合は、自社内で請求書の発行などを行って運用していく事になります。
この方法であれば手数料などはかかりませんが、販売数が増えるにつれて業務負担も増加していくため注意が必要です。
後払い決済代行サービスに債権を譲渡する場合は、注文が入った時点で決済会社が商品代金を立て替えて事業者に支払い、購入者からの支払いは後払い決済代行サービスが受ける流れになります。
後払い決済代行サービスを通して決済することで、事業者は手数料を支払う代わりに与信や請求書発行業務、最速などの業務をすべて代行して貰う事が可能です。
導入する後払い決済の仕組みによっては事業者の負担する業務は変わるのですが、購入者側には何も代わりはありませんので、安心してください。
次に購入者が後払い決済を行うメリットをご紹介しましょう。
後払い決済を利用するメリットは?
では、後払い決済を利用するメリットをいくつかご紹介しましょう。
安心して買物ができる
後払い決済は、安心して買物が出来るのがメリットです。
近年はネット通販などを悪用した詐欺やサイバー犯罪が急増しており、クレジットカード決済をすることで思わぬ犯罪の被害に遭ってしまうケースもあります。
実際に警視庁が行った調査では、令和元年時点のサイバー犯罪の検挙数は9529件で、年々件数は増加傾向に担っているようです。
「決済をしたのに商品が届かない」「クレジットカードの情報が悪用されてしまった」などといった犯罪のリスクを考慮し、あえて後払い決済しか選ばない購入者も少なくありません。
また、「購入した商品が不良品だった」というリスクを回避したいときも、手元に商品やサービスが届いて確認してから支払いができる後払い決済であれば、安心して商品を購入可能です。
商品の購入時に決済が選択出来ると、サイバー攻撃や不良品リスクに備えた買物が出来ますね。
支払いにゆとりが持てる
支払いまでにゆとりがもてるのも、後払い決済の大きなメリットでしょう。
現金で購入代金を支払いたいときは、後払い決済の他に代金引換や前払い決済などの方法が選べます。
これらの支払い方法であれば、サイバー犯罪や詐欺に遭う危険性は低いですが、代金を支払うタイミングが選べない点がデメリットと言えます。
例えば前払い決済であれば注文後数日以内に、代金引換であれば賞品到着時に代金を支払う必要があるので、場合によっては急いで代金を用意する必要もありますね。
しかし後払い決済であれば、賞品到着後に自分のタイミングで代金の支払いができます。
サービスによって異なりますが、最短でも14日、長ければ90日程度は支払いに余裕が生まれるでしょう。
すぐに予算が用意出来ないときも、安心して買物が出来ますね。
後払い決済の滞納・延滞は信用情報に影響がない?ある?
後払い決済ですが、クレジットカードやローンと同様に後払いで商品を購入出来るので、後払い決済をした時に「クレジットカードなどの信用情報に影響が出るのでは?」と心配になる人もいるようです。
こちらですが、後払い決済の方法によって異なりますね。
主要な後払い業者は以下のようになっています。
- atone
- Paidy
- NP後払い
- バンドルカード
- メルペイスマート払い
- おサイフくん(QUICPay)
- 後払い.comなど
上記の中で滞納や延滞をするとブラックリストになるのは「Paidy」「おサイフくん」の2つになります。
この二つに関しては信用情報機関に登録しているので、ブラックリストになる可能性があります。
他の後払いサービスに関しては、カードローン審査やクレジットカード審査、その他のローン審査に影響を与える事は無いということです。
後払い決済を滞納すると支払期日から数日以内に電話やメールによって催促されることも多いですが、催促された時点ですぐに支払えば、大きな問題に発展することもなく、次回も後払い決済で商品を購入することができます。
ただし、支払い滞納を続けてしまうと、利用限度額を引き下げられることや取引停止になることもあるので注意が必要です。
次になぜ後払い決済が信用情報に影響を与えないのか、をご紹介しましょう。
一番利用が多いNP後払いについてご紹介しますね。
NP後払いは個人信用情報機関に未加盟!
信用情報について知っておいて欲しいのは、信用情報を審査に使える企業は各信用情報機関に加盟している業者に限られるということです。
その業者の多くは消費者金融やクレジット会社、銀行カードローンの保証会社などの金融機関です。
これらの金融機関は、「お金に関する契約」を扱っており、契約内容によってカードローンやクレジットカード、自動車ローンの提供を実施しています。
簡単にいえば「お金を借りる」または「ローンで商品を販売する」ということが目的で、そのための信用力や返済能力がどのくらいあるのか信用情報を入手して審査が行われるのです。
NP後払いやGMO後払いに代表される後払い決済サービスを提供している会社は、確かに「お金に関する契約」に近いように見えますが、テレビショッピングやカタログ販売などの通信販売に近いものがあります。
テレビショッピングなどの場合、商品が届いてから代金を支払う昔ながらの販売方法です。
そのため割賦販売業者に当たらないことから、後払い決済サービスを事業としている会社は信用情報機関に加盟していません。
未加盟だから信用情報の登録ができない
信用情報を保有している信用情報機関は、指定されている信用情報機関だけで3つあります。
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
- CIC
- 日本信用情報機構(JICC)
以上の信用情報機関はお金に関する契約の際に、必ず信用情報を取得し審査を行っており、それぞれは金融機関の業務形態によって加盟業者が分かれています。
各信用情報機関の加盟御者は審査を行う時に、信用情報機関から個人信用情報を入手し「契約するかどうかの判断」や「お金を貸すとしたらいくらまで可能なのかを判断」を行っています。
信用情報機関の加盟業者は、審査によって契約出来た顧客の情報を信用情報機関に登録及び変更を行うことも可能です。
後払い決済サービスを提供している会社はそもそも信用情報機関の加盟業者ではないので、信用情報機関にアクセスする事も出来ませんし、契約の登録や変更もできません。
クレジットカードやカードローンの契約に大きな影響を与えないため、遅延したとしてもブラックリストになるようなことは加盟しない限り無いと言えますね。
ちなみに翌月一括払いのみであれば、割賦販売法が適用されず、分割払いに対応している場合には、割賦販売法が適用されます。
つまり割賦販売法を適用している後払いサービス業者は、信用情報機関に登録しているので、注意が必要という事です。
覚えておきましょう!
信用情報機関に登録されているかどうかを見分ける方法は?
後払い決済を利用する時に注意して欲しいのが、その業者が信用情報機関に登録をしているかどうかです。
信用情報機関に登録をしているとなると、後払い決済を利用し滞納・延滞をするとブラックリストにのる可能性が高まります。
また、信用情報機関に登録していない業者であれば、ブラックリストには載らないという事になりますね。
その見分け方ですが、後払い決済を申し込むときに「信用情報の取得に同意する」というチェックがあるかどうかで見分ける事が出来ます。
この項目があるということは、信用情報機関に登録していると言う事ですね。
そのチェック項目がある業者の後払い決済を行い、滞納・延滞するとブラックリストになるということなので、注意してください。
NP後払い決済等での滞納・延滞のデメリットは?
NP後払い決済のような信用情報機関に登録していない業者であれば、何もデメリットはないのでしょうか?
これは実は違いますよ!
信用情報機関に登録していない後払いサービス業者でも、延滞や滞納をするとデメリットが多くあるのでご紹介しましょう。
後払い決済が使えなくなる!
後払いを滞納すれば、悪質なユーザーと認識され、後払い決済での買物ができなくなります。
後払い決済の一般的な利用限度額は5万4000円ですが決済代金が利用限度額に達していないのに、利用出来なくなるのも同じです。
このようにNP後払いなどが使えないと、ネットショッピングする時に不便になります。
他の後払い決済も利用出来なくなる!
後払い決済サービスで個人信用情報に傷がつかない業者でも悪質なユーザーを登録する通販の信用情報に登録されてしまいます。
「いたずら注文や返品が多い」「後払い決済代金を支払わない」などの利用者を登録し後払い決済の審査に使われている様です。
確かにカードローンやクレジットカードの審査に影響を嗚呼得ることはないとしても、後払い決済サービスを行っている会社は複数有り、どこの決済サービスも受けられないのは、もの凄くデメリットですよね。
長期滞納で弁護士から請求がくる!
支払いを滞納すると後払い決済サービス会社から催促を受け、最終的には弁護士に委任されることになってしまいます。
支払期限から2ヶ月経過した時点で、弁護士から支払い催促を受け、それでも支払わない場合は法的手段をとられる事も十分あります。
弁護士に委任されるまでには何回か催促状やメールが届くはずですので、その文章に書いてある支払期限に代金を支払えば、法的手段で回収されることはありません。
しかし、催促を無視していると裁判所から支払い催促されたり、場合に酔っては小額起訴に訴えられたりする可能性もありますよ。
最悪給料の差し押さえなどがされますので、会社にバレてクビという可能性もでてくるので、延滞・滞納はせずに支払いを済ませましょう。
通販の情報共有システムに注意!
NP後払いのようにネット通販を利用する人向けの支払い手段を滞納しても、個人信用情報に滞納情報が残ることはありません。
しかし、通販業界だけで共有される情報共有システムが存在しているので、そちらに情報が共有される可能性はあります。
NP後払いが加盟している野は「通販信用情報サービス」
NP後払いが加盟している情報共有システムは「通販信用情報サービス」というNHN SAVAWAY株会社が運営しているサービスです。
SAVAWAYはECやネットショッピングをサポートするサービスを提供している会社のため、全国のECやネットショッピングと提携しており、さまざまなECの会社が通販信用情報サービスを利用しています。
通信信用情報サービスでは、NP後払いの利用時に悪質と思われる利用者の情報を、他のECや後払い会社と共有しています。
従って、NP後払いでの滞納情報が原因で、他社のECや後払いサービスが利用出来ない可能性が十分にあるという事ですので、注意しましょう。
まとめ
後払い決済はとても便利に使えるサービスで拡大していますが、借金をしているのと同じですので、使いすぎには注意しましょう。
また後払い決済の事業者にもよりますが、滞納や延滞をするとブラックリストに載る可能性もありますし、ブラックリストに載らなくても、通信信用情報サービスなどの情報には残りますので、最悪後払い決済が使えなくなる可能性もあります。
また、延滞を続けると裁判所から催促などの法的手段もとられますので、きちんと返済をしていきましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。