クレジットカードで過払い金は発生するの?
過払い金といえば、カードローンなどで発生しているイメージがありますよね。
しかし、クレジットカードでもキャッシング枠を使ってお金を借りることができるので、もしかしたら過払い金が発生するのではないかと思っている人も多いのではないでしょうか?
今回はクレジットカードで過払い金が発生するかどうか?
またクレジットカードの過払い金を請求する知られざるデメリットなどもご紹介していきます。
記事の目次
クレジットカードでも過払い金は発生する!
結論から先にお伝えすると、クレジットカードでも過払い金が発生するケースがあります。
まず、過払い金がどういう仕組みで発生するのかをご紹介しましょう。
過払い金とは?
過払い金とは、名前の通り金融機関に支払う必要がないのに、払いすぎていたお金の事です。
より詳しく解説すると、カードローンやクレジットカードのキャッシングなど、金利が発生する取引において、利息を支払いすぎていた状態を指します。
お金を貸す際は「利息制限法」に基づいて条件金利が決められていて、上限を超えた貸付は違法になります。
現在では年率20.0%を超える利息で借入をしていた場合は、過払い金請求の対象となりますね。
なぜ過払い金が発生するのか、その仕組みは?
なぜ違法な金利で貸付が行われていたのかというと、以前は法律で定められた上限金利が現在とは違っていたからです。
昔は「出資法」と「利息制限法」という2つの法律で、それぞれ異なる上限金利が定められていました。
利息制限法 | 15.0%~20.0% |
出資法 | 29.2% |
しかし、2010年6月18日に貸金業法・出資法が改正され、上限金利が20.0%に引き上げられました。
利息制限法の上限をこえているものの、出資法の上限は超えていない「グレーゾーン金利」で借入していた人は、超過分の利息を取り戻せるようになったと言う事ですね。
※グレーゾーン金利は年20.0%~29.2%の金利帯を指します。
クレジットカードで過払い金が発生する5つの条件とは?
クレジットカードの利用で過払い金が発生する条件は、主に以下の5つです。
【過払い金が発生する条件】
- キャッシングを利用していた
- グレーぞ-ン金利で借入していた
- 2010年以前にお金を借りていた
- 時効が過ぎていない
- カード会社が倒産していない
全ての条件を満たしていないと過払い金請求はできないので、それぞれ詳しく見ていきましょう。
キャッシングを利用していた
過払い金が発生するのはキャッシング枠のみです。
キャッシングとは、クレジットカードの「キャッシング枠」を利用してお金を借りられるサービスの事。
キャッシングで借入していた場合、カードローンと同じくグレーゾーン金利を超えていた可能性があります。
ショッピング枠は過払い金が発生しない
ショッピング枠の利用では、過払い金が発生することはありません。
なぜなら、ショッピング枠は「割賦制限法」という法律に基づいているため借金扱いにならず、利息制限法が適用されないためです。
ショッピング利用分を文化部払い、リボ払いにしていたとしても、過払い金は発生しません。
リボ払いはキャッシング分のみ過払い金が返ってくる
リボ払いでも過払い金が発生するケースがあります。
リボ払い(リボルビング払い)とは、毎月の支払い額を一定額に固定して支払う返済方式のことです。
リボ払いで過払い金が発生するのは、キャッシングの利用分をリボ払いで支払っていた場合のみです。
前述の通り、ショッピングの利用は利息制限法の適用をうけないため、ショッピングをリボ払いしたとしても過払い金は発生しません。
グレーゾーン金利で借入していた
過払い金が発生する条件としてまず挙げられるのは、利息制限法の上限金利を超える利息で借りていたことです。
具体的には、借りていた金額別に以下の金利の間で借りていた場合には、過払い金が発生しています。
借りていた金額 | 金利 |
10万円未満 | 20~29.2% |
10万円以上100万円未満 | 18~29.2% |
100万円以上 | 15~29.2% |
もちろん、この金利よりも低い金利で借りていた場合には、過払い金は発生していません。
しかし、以前の貸金業者はグレーゾーン金利で科していたのが普通なので、多くの場合は過払い金が発生しています。
2010年以前にお金を借りていた
過払い金が発生する条件としては、2010年以前にお金を借りていた場合のみです。
改正貸金業法が施行された2010年6月17日以降は、出資法の上限金利が利息制限法(年20.0%)に合わせられました。
そのため、出資法に基づいて刑罰を課され、過払い金が発生するような貸付は行われなくなりました。
一方、2010年6月17日以前は利息制限法の上限金利を破っても、刑罰がなかったため、グレーゾーン金利で貸し付けていた貸金業者が多くありました。
したがって、過払い金が発生するのは、2010年以前にお金を借りていた場合のみということですね。
時効が過ぎていない
時効が過ぎていると過払い金を請求できません。
過払い金には「最後の取引から10年間」という時効があり、時効を過ぎてしまうと請求することができなくなります。
取引とは、借入や返済などの行為を指すため、実質的には「最後に返済した日からカウントして10年間」が時効となりますね。
したがって、現在進行形で取引をつつけている人は、時効になる心配はありません。
カード会社が倒産していない
カード会社が倒産していると、過払い金請求はできません。
過払い金を請求するには、取引先が倒産せずに経営を続けていることが条件になります。
ただし、倒産ではなく吸収合併された場合は、合併先の会社に過払い金請求することが可能ですよ。
取引していた会社がなくなっていたとしても、どこかに合併していないか調べてみましょう。
クレジットカードの過払い金を受け取るとどうなる?デメリットは?
クレジットカードの過払い金を請求すると生じるデメリットは主に以下の3つです。
【過払い金を請求すると生じるデメリット】
- 過払い金請求したクレジットカードは解約され使えなくなる
- 定期的な支払いが滞るケースがある
- ブラックリストに載る可能性がある
それぞれのデメリットについて 詳しくご紹介しましょう。
過払い金請求したクレジットカードは解約され使えなくなる
クレジットカードの過払い金を請求すると生じるデメリットとしてまず挙げられるのは、過払い金請求したクレジットカード会社は利用できなくなることです。
過払い金を請求し、それが認められた場合、クレジットカード会社には損失が発生します。
すると社外ブラックに登録されてクレジットカードが利用できなくなるのです。
ただ、これは過払い金を請求したクレジットカードが使えなくなるだけで、他の会社のクレジットカードは問題なく使えます。
クレジットカードの作成にはやや時間がかかるので、過払い金を請求する時には、あらかじめ他のクレジットカードを作っておくのが無難でしょう。
定期的な支払いが滞るケースがある
クレジットカードの過払い金を請求すると生じるデメリットとしては、クレジットカード払いの料金の支払いが滞る可能性があることも挙げられます。
先程説明したように過払い金請求をすると、そのクレジットカードは使えなくなります。
そのため、過払い金請求をするクレジットカードで料金を支払っていた場合、料金の支払いが滞る可能性があります。
これを防ぐ為にも、事前にクレジットカードを作って料金の請求先を変更しておくのがオススメです。
ブラックリストに載る可能性がある
過払い金請求のデメリットとして、ブラックリストに載る可能性があることも挙げられます。
過払い金よりも借入残高の方が多い場合、過払い金請求では無く、任意整理という扱いになってしまうからです。
任意整理とは、債務整理の方法の一つで、借金の利息部分を免除してもらう手続きの事です。
ブラックリストに載ると、具体的に次の様なデメリットが生じます。
【ブラックリストに載るデメリット】
- 新たな借入が難しくなる
- 携帯を分割払いで購入出来なくなる
- クレジットカードを作成できなくなる
このリスクを回避するために、過払い金の金額の方が多くなるように調整しておきましょう。
具体的なデメリットについて、もう少し詳しくご紹介しますね。
新たな借入が難しくなる
ブラックリストに載ると、基本的に借入はできません。
なぜなら、世の中のローン商品のほとんどは、個人の信用力・返済能力に基づいて提供されているからです。
例えば次の様なローン商品は利用できなくなります。
【利用できないローン商品】
- 消費者金融
- 銀行ローン
- 自動車ローン
- 住宅ローン
- ビジネスローン
ただし、借入ができないのは、あくまで信用力がないことが理由です。
なので、担保を質屋に入れて借入をしたり、保険の契約書貸付を利用したりすることは問題なく出来ます。
とはいえ、なかなか結構なデメリットだと思いますけどね。
携帯を分割払いで購入出来なくなる
ブラックリストに載っている人は、スマホを分割払いで購入出来なくなります。
なぜなら、分割払いの歳は、販売会社によって個人信用情報を照会されるからです。
ただし、どれだけ代金が高くても一括払いなら購入可能なので、どうしても欲しい端末があるなら中古での購入も検討しましょう。
クレジットカードを作成できなくなる
クレジットカードが使えなくなるのも大きなデメリットです。
ブラックリストに載っている間は、クレジットカードの審査に通過するのは困難で、すでに利用しているカードもそのうち使えなくなってしまいます。
債務整理手続きの前に、クレジットカードに変わる決済手段を用意しておくと良いでしょう。
デビットカード | 使った金額が即座に引き落とされる |
家族カード | 本会員の家族と同じクレジットカードを使える |
プリペイドカード | 事前にチャージした金額分だけ使える |
クレジットカードの過払い金請求は専門家に依頼すべき理由とは?
過払い金の請求を専門家に依頼するのがオススメな理由は、以下の3つになります。
【過払い金の請求は専門家に依頼するのがオススメの理由】
- 引き直し計算が難しい
- 失敗するリスクが高い
- 家族へ借金がバレる事がある
それぞれの理由に付いて詳しくご紹介しましょう。
引き直し計算が難しい
過払い金の請求は専門家に依頼するのがオススメな理由として、まず挙げられるのは、引き直し計算が難しい事です。
過払い金請求を行う時には、まずは過払い金の正確な金額を計算する必要があります。
この計算には専門知識が必要で、細かい注意点もあるため、自分で行うのは難しいですよ。
引き直し計算を正確にできないと、過払い金請求を成功に導けない可能性もあります。
失敗するリスクが高い
過払い金の請求は専門家に依頼するのがオススメな理由として、失敗するリスクが高いことも挙げられます。
貸金業者はこれまで多くの過払い金請求に対面してきたため、交渉を通じて請求を取り下げてもらったり、最少の金額で済ませたりするノウハウが貯まっています。
そこに素人が交渉に臨んだところで、十分な過払い金を返還してもらえない可能性が高いです。
一方、弁護士などの専門家であれば過払い金請求にも精通しているため、貸金業者と対等な立場で交渉し、より高い過払い金を得ることが可能になります。
専門家への依頼には料金がかかるものの、失敗して過払い金を得られない可能性を考えれば十分割にあう依頼料と言えるでしょう。
家族へ借金がバレる事がある
過払い金の請求は専門家に依頼するのがオススメな理由としては、家族へ借金がバレるリスクがあることも挙げられます。
過払い金の請求をしていると、自分の家に借入の取引履歴が送られてきたのを見られた、等の理由で家族に借金がバレる可能性があります。
一方で、専門家に依頼すれば家族にバレずに過払い金請求をする事ができますよ。
まとめ
クレジットカードの利用でも過払い金が発生している可能性はあります。
具体的な条件をおさらいしましょう。
【過払い金が発生する条件】
- キャッシングを利用していた
- グレーゾーン金利で借入していた
- 2010年以前にお金を借りていた
- 事項が過ぎていない
- カード会社が倒産していない
最も注意したい点として、過払い金が発生する可能性があるのはキャッシング枠を利用した場合のみという点です。
過払い金が発生しているか判断が難しい場合は、法律事務所の無料相談を活用するのがオススメですよ。
自分に心当たりがあるなら、是非過払い金の請求をしてみてはいかがでしょうか?
最後までご覧いただきありがとうございました。