繰上返済は毎月の約定返済とは別に、多めに返済をする方法ですが、繰上返済を利用する事で、どんなメリットがあるのでしょうか?
今回は繰上返済はした方が良いのか?
メリットやデメリット、繰上返済をおこなうことでどれだけ返済額を減らせるのかをご紹介しましょう。
記事の目次
余計な出費を抑えたい人は繰上返済を利用して返済しよう!
今では多くの人が利用しているカードローンですが、利用者の多くが金利について不満を抱えています。
アンケート調査を利用経験者500名に行ったところ、以下のような結果になったようですよ。
【金利は高いと思いますか?】
- あまりにも高すぎる 159名:31.8%
- 高いけど我慢できる範囲 242名:48.4%
- 普通 なんとも思わない 91名:18.2%
- 低い 6名:1.2%
- 大変低い 2名:0.4%
利用経験者のうち、カードローンの金利があまりにも高すぎると回答した人は、31.8%、高いけど我慢できる範囲と回答した人は48.4%という結果になり、5人中4人はカードローンを利用していて金利が高いと感じているのが現状です。
原因としては、カードローンは基本的に業者側の指定する「最低返済額」があり、これは毎月約定返済で支払う金額のことで、融資を受けている金額に応じて設定されています。
たとえば、10万円なら、月々2,000円~10,000円程度の範囲で決められていますね。
最低返済額の高さは月々の生活基盤の圧迫に関係するものなので、業者指定の最低返済額が低い業者が選ばれる理由になっているのですが、同時にカードローンの金利の高さと返済期間を大きく引き上げてしまうものであり、場合によっては大きなデメリットであることを理解しておかなければいけません。
また、カードローンの返済方法は約定返済のほかに、繰上返済とういうものがあります。
繰上返済は、返済日や返済金額が決められている約定返済と違い、いつでも随時に返済できるものです。
さらに、繰上返済は全額を元金の返済に充てられる返済方法で、約定返済の場合は、返済額の一部は利息に充てられているので一向に元金が減らず、返済がいつまでたっても終わらない状態に陥ってしまいますが、繰上返済の場合は、元金を減らすことができ、返済額・返済期間を減らす事ができます。
カードローンの繰上返済は、いつでも好きな時に行う事ができる!
好きな時に繰上返済ができ、ローンの組み直しはなく、いつでもATMで返済するだけと言うのが繰上返済のメリットです。
マイカーローンや住宅ローン、高額な商品を購入したときのショッピングローンなどの、あらかじめ返済期間が定められた個々のローン(個別ローン)は、繰上返済を行う際は支払う金額を提示し、ローンの組み直しを行う必要があるため手間がかかります。
カードローンやクレジット(キャッシング含む)の場合は、限度額の範囲で好きに借入できるローン(包括ローン)であるため、好きな時に繰上返済を行うことが可能です。
業者側の提示する最低返済額を返済し続ける事で、返済移管や返済総額が大きく変わってくるので、積極的に繰上返済を行うことを推奨します。
消費者金融カードローンの繰上返済方法について
カードローンの繰上返済の方法は、業者によっても異なっています。
ここでは、いくつかの消費者金金融のカードローンで繰上返済をする方法を紹介していきます。
アイフルの場合
アイフルの返済日は、自分の都合に合わせて毎月一定の返済日を指定することができ、返済日までの10日間のうちに返済額を入金して毎月の返済を行います。
口座振替を希望した人は、指定口座から自動で引落しされるので、返済日までに振り込む必要はありません。
そのため、繰上返済をするには返済日までの10日間よりも前に振り込むことで、簡単に利用する事ができます。
つまり、返済日を毎月27日に指定している場合は、返済の入金期間が毎月17日~27日の10日間になるので、繰上返済を利用するのであれば、毎月16日以前に返済額の振り込みが必要です。
ただし、繰上返済を行った場合でも、毎月の約定返済は行われるので注意してください。
また、毎月の返済額もアイフルの「会員サービス」にログインして変更する事も可能ですよ。
アコムの場合
アコムの返済は、毎月指定日での返済と35日ごとの返済から選ぶことができます。
毎月定期日で返済する場合は、返済日を自身の都合で指定する事ができ、その指定日までに振り込み、口座引落しすることで返済が可能です。
ただし、返済方法を口座振替(自動引落し)に設定した場合、毎月指定日は6日となります。
一方、35日毎の返済の場合は、前回の返済日の翌日から数えて35日目が返済日となります。
繰上返済を利用するには、毎月定期日で返済する場合、返済期日より15日以上前に入金することで、追加返済をすることができますので、提携ATMやインターネット返済で振り込みをしてください。
35日ごとの返済で、繰上返済を利用する場合は、いつもの返済日よりも早い日付で返済したり、返済日にいつもの返済額以上を振り込むことで、繰上返済が利用できます。
プロミスの場合
プロミスの返済日は、5日、15日、25日、末日のいずれかから、自身の都合に合わせて選択することができます。
返済方法は、口座引落しの他に、インターネット返済、提携ATMなど豊富にあり、口座引落しを利用している人が繰上返済を行う場合は、その他の返済方法を利用して振り込みが必要です。
口座引落し以外で返済している人は、その都度返済額を多めに返済することで繰上返済が利用できます。
J.Scoreの場合
J.Scoreの返済日は自分の都合で選ぶことができ、返済方法は口座引落し、Pay-easy(ペイジ-)、銀行振り込みの3つから選ぶことができます。
※口座引落しの場合、返済日は26日になります。
返済は、返済日よりも前に行うことができ、当月の返済は返済日を含んだ14日前から可能です。
繰上返済は、自分の都合に合わせていつでもできるのでPay-easyまたは、指定口座へ振り込みすることで返済ができます。
ただし、返済日よりも前に繰上返済をした場合は、別途当月の返済が必要になるので、注意してください。
クレジットカードの分割払いの繰上返済も可能!
繰上返済はカードローンだけでなく、クレジットカードの分割払いに対しても行う事ができます。
ただし、多くの場合で追加の手数料がかかり、事前の手続きも必要です。
ここでは、クレジットカードの返済方法をまとめてみました。
楽天カードの場合
楽天カードでは、繰上返済について以下の記載があります。
口座振替よりも先にご返済をご希望の場合は、お電話でのご連絡が必要となります。
具体的には、利用残高を一括で返済したい場合は、0120-30-6910(24時間受付)に、引落し結果反映後から翌月9日(土日祝日の場合は前営業日)14時45分までに連絡することで返済をする事が可能です。
また利用残高の一部を支払いたい場合や先述した期間が過ぎてしまった場合は、楽天カードコレクトセンター(営業時間9時30分~17時30分)に連絡して返済をします。
直リボ払いをまとめて支払う場合は、会員専用サービスの「楽天e-NAVI」から手続きが可能です。
クレジットカードの繰上返済をするということは、想定よりも返済能力があることを示しています。
そのため繰上返済を行う事により、クレヒス(クレジットカードヒストリーの略。クレジットカードの利用実績のこと)に良い影響を及ぼす可能性があります。
クレヒスが良いと、審査に通過する可能性が上がったり、限度額が増えたりとメリットが豊富ですよ。
こんなに変わる!繰上返済を行った場合と最低限額を続けたケースの比較!
繰上返済について説明してきましたが、繰上返済をすることでどれだけ返済額や返済期間が減らせるのでしょうか?
次に、最低返済額のみを返済した場合と、繰上返済を利用した場合の返済総額との返済期間を比較してみましょう。
10万円の融資を最低返済額のみで返済した場合
まずは、10万円の融資に対し、最低返済額のみを返済した場合です。
以下のシミュレーションでは、消費者金融18.0%の金利を適応し、月々の返済を最低返済金額の4,000円として計算してみました。
返済回数 | 32回(2年8ヶ月) |
月々の返済額 | 4,000円 |
返済総額(金額) | 126,260円 |
利息 | 26,260円 |
最低返済額のみで返済を続けた場合、返済額は実際に融資を受けた10万円に加え、利息の26,260円がかかるので、返済総額は126,260円となります。
完済するには返済回数が32回かかるので、2年8ヶ月もの間、毎月4,000円を支払い続けていく必要があるのです。
次に10万円の融資を受け、繰上返済として最低返済額よりも6,000円ほど多い、10,000円を返済した場合の返済額をみていきましょう。
返済回数 | 11回(11ヶ月) |
月々の返済額 | 10,000円 |
返済総額(金額) | 109,158円 |
利息 | 9,158円 |
最低返済金額よりも6,000円多い金額で毎月返済をした場合、返済総額は融資を受けた10万円に、利息9,158円を加えた109,158円になります。
返済回数も11回、11ヶ月で完済することができるので、最低返済金額のみで返済した場合よりもはるかに短いですね。
つまり・・・
【最低返済額のみで返済した場合】
- 返済総額:126,260円
- 返済期間:2年8ヶ月
【繰上返済を利用した場合】
- 返済総額:109,158円
- 返済期間:11ヶ月
【差額】
- 126,260円ー109,158円=17,102円
17,102円もお得になる!ということですね。
最低返済金額のみで返済していくよりも、多い金額で返済した場合は、園文早く残債も減るため、返済期間と返済総額を圧縮することができました。
利息は15,000円以上減らすことが出来、返済期間も1年以上短縮することが可能です。
繰上返済をするタイミングについて!
上記で繰上返済でどれだけ返済総額と返済期間が短縮できるかをシミュレーションで紹介しましたが、実際どのようなタイミングで繰上返済を利用するか悩んでいる人もいるでしょう。
繰上返済をするタイミングは次の二つになりますよ。
お金に余裕があるタイミング
お金に余裕ができたときに返済に充てることで、元金を減らすことができ、利息や支払総額を減らすことに繋がります。
繰上返済は早い段階で行うほど、支払利息・返済期間を大幅に短縮する事が可能です。
そのため、借金はなるべく早く完済したい、支払総額を減らしたいと言う方は、お金に余裕があるタイミングに、少しずつでも多く返済していくことで返済期間を短くして完済することができます。
ただし、早く完済したいからといって、無理にでも繰上返済を利用して、手元に残っているお金が少なくなってしまい、急な出費に対応できないと言う事態に陥らないためにも、あらかじめ返済計画を立てることをオススメします。
ボーナスや臨時収入が入ったタイミング
ボーナスや臨時収入があったときが、繰越返済をする一番良いタイミングです。
臨時収入で繰上返済を行う事で、預貯金から切り崩して切り上げ返済に充てる必要は無いので、生活基盤に負担をかけず無理なく返済をすることができます。
繰上返済のメリットとデメリット
繰上返済のメリットとデメリットをまとめましたので、ご覧下さい。
繰上返済のメリット
- 利息を減らすことができる
- 返済期間を短縮出来る
- 借入できる金額に余裕ができる
- いつでも繰上返済が利用できる
- 小額でも返済可能
繰上返済のデメリット
- 約定返済とは別に支払う事になる
- 手数料がかかる場合がある
- 自動引落しでは繰上返済ができないので手間がかかる
- 資金繰りがうまくいかないと生活に負担がかかる
デメリットよりはメリットの方が大きいので、是非とも繰上返済を利用して欲しいですね。
繰上返済が向いている人と向いていない人は?
最低返済額よりも多めに支払いをする事で、支払総額や返済期間も短縮できる繰上返済ですが、どのような人が利用するべきでしょうか?
次では、繰上返済が向いている人、向いていない人についてポイントをまとめてみました。
向いている人
金利が高いと感じている人
繰上返済は、いつもの返済額より多めに返済することで、利息分を減らす事ができるので、利用しているカードローンの金利が高いと感じている人にオススメの返済方法です。
繰上返済を早期から利用して、利息や支払総額を減らしていくことがお得な使い方ですね。
借金を早く完済したい人
繰上返済は、返済期間の短縮にも効果があるので、借金を早く完済したいという人に向いています。
企業が設けている最低返済額は少なく、生活基盤も圧迫せずに無理なく返済していくことができますが、最底返済額だけを返済していけば、借金を完済するまでに何年もの時間がかかってしまい、返済がなかなか終わりません。
繰上返済を利用する事で、返済期間を短くすることが可能なので、まずはいつまでに完済するか返済計画を立てて無理なく繰上返済を利用しましょう。
向いていない人
お金に余裕がない人
お金に余裕がなく、生活の負担も大きいという方に繰越返済は向いていません。
お金に余裕がない状態で繰越返済に預貯金を回してしまうと、突然の出費に対応できなかったり、次回の約定返済分の金額が不足するなど、負担になってしまう場合があります。
お金がない状態で、無理に繰越返済を行うのではなく、ボーナスや臨時収入など、お金に余裕ができたときに繰上返済を利用するのがオススメです。
まとめ
繰上返済を利用する事で、元金や利息を減らすことができ、返済額も短縮する事が可能です。
繰上返済はATMで返済するだけで利用できますし、インターネット返済が利用できる業者であれば足を運ぶ必要もなく、手数料も無料で簡単に行うことができます。
返済計画を立てずに、闇雲に繰上返済を行うと、生活を圧迫してしまう場合がありますので、自身のライフスタイルに合わせて繰上返済を利用してみましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。