2018年は貸金業界にとって変遷の年となっています。
近年では2010年に貸金業法が改正されたことが貸金業界に大きな影響を与えることになりましたが、2010年ほどの大きな動きではありませんが、2018年も今までの利用方法とは異なる可能性を秘めているということが挙げられます。
こちらでは、具体的にどのような案が提出されているのかということと合わせて、詳しく紹介していきます。
2018年の貸金業界は変遷の年となっている
事の起こりというのは、2016年9月16日に意見書が取りまとめられ、同年10月12日に提出された「銀行等による過剰貸付の防止を求める意見書」が始まりとされています。
この意見書の全文は日本弁護士連合会のホームページで確認することが出来ますので、興味がある人は確認してみてください。
中身は全6項目で分かれていますが、簡単に言えば「銀行は貸し付けを優遇しすぎているから規制してください」という要望書ということになります。
これは2010年に制定された総量規制の対象を広げるという意味が込められていますが、総量規制というのは要約すると「年収の3分の1を超えて金融機関は貸し付けをしてはいけない」という決まりになっています。
しかし、この総量規制にも抜け道というものがあって、銀行が提供しているローン商品と利用者が一方的に得をするケースのローン商品に関しては対象外とされていました。
つまり、消費者金融ではなく銀行が提供しているカードローンやフリーローンを利用する場合は規制に関係なく借り入れをすることが可能になっていて、消費者金融にだけ規制が掛けられていたということが挙げられます。
これらのことから2018年4月現在、法律上では規制が掛けられていませんが、2017年頃から銀行が自主的に規制を設けているというようなケースが増えてきています。
あくまでも自主的に規制をしているということになりますので、金融機関によっては何の規制もしていないケースもありますので、その辺りは企業の判断に委ねられていることが特徴的です。
しかし、今後は2010年の法改正のように規制される可能性が高くなっていますので、おまとめローンや借り換えローンなどを利用して借入件数を一本化するのなら今のうちに手続きをしたほうが良いということになります。
消費者金融と銀行の貸付業務が一本化されることも考えられる
2018年現在、大手の消費者金融というのはほとんどが銀行の子会社となっているケースが多いです。
例えば、アコムなら三菱UFJフィナンシャルグループ(三菱UFJ銀行の親会社)となっていて、プロミスやSMBCモビットならSMBCグループ(三井住友銀行の親会社)というように、ほとんどが銀行傘下の消費者金融となっているケースが多いです。
大手の消費者金融の中で銀行が絡んでいないのはアイフルのみとなっていて、その代わりにアイフルの場合は地方にある中小の消費者金融を抱き込んでいるケースが非常に多くなっていて、2018年現在の消費者金融業界はこのように分けられているのが特徴的です。
このように見ると、コンビニの勢力図のように見えるかもしれませんが、大まかなイメージとしては同じような仕組みです。
また、もう1つの大手消費者金融だったレイクに関しては新生銀行が運営していましたが、2018年3月から新規融資の受け付けが中止されました。
これはレイクが倒産したということではなく、運営会社が変わるというだけになっています。
2018年3月までは新生銀行がレイクを運営していましたが、2018年4月からは新生銀行の子会社となっている新生フィナンシャルがレイクブランドを譲り受けて運営していくことになります。
消費者の視点から見るとどちらも変わらないように見えるかもしれませんが、上記でも紹介したように2018年というのは貸金業界にとって変遷の年となっているために、運営会社が変更したことによってどのような影響があるのかということについては未知数になっていることが挙げられます。
もしかすると、消費者金融と銀行という垣根が無くなって、全ての融資業務を銀行が受け持つというようなことになる可能性もあります。
今回提出された意見書では、「銀行の過剰融資を防止する」という意味が込められていますので、逆に銀行系のローン商品が無くなってしまうというようなことも考えられます。
1つだけ確かなのは、消費者にとってメリットがあるという話題ではありませんので、何らかの形で現状よりも厳しくなるのは確実だということです。
借入金の一本化をするなら早いほうが良い理由
上記でも紹介したように、2018年現在の貸金業界というのは銀行側に対して要望が提出されている状態となります。
これは何度も紹介しているように銀行側が行う融資に対して制限を設けるというような話になっていますので、もしかすると近い将来「おまとめローンや借り換えローン」というローン商品が無くなってしまう恐れもあります。
しかし、これらのローン商品が無くなってしまうとローンを利用している人がメリットを享受することが出来なくなってしまいますので、大きなデメリットに繋がってしまいます。
おまとめローンや借り換えローンを利用するのなら銀行が提供しているローン商品を利用するのが基本となっていますが、そのローン商品が無くなってしまう可能性がありますので、借入を一本化するのなら早いほうが良いということになります。
実際には意見書が通った場合でもおまとめローンや借り換えローンが残る可能性もありますが、そのまま通ってしまうと借り換えをすることが出来るようになっても総量規制の対象とされてしまう可能性もあります。
そうすると、現在の状況のように総量規制を無視して借り入れをすることが出来るというようなことにはなりませんので、利用者は複数の借入件数がある状態で返済を続けなければいけないということです。
ここまで考えるのは大袈裟なのかもしれませんが、2010年に貸金業法が改正された際には、年収による制限だけではなく本人に収入がない場合には貸し付けをすることが出来ないという項目も付け加えられることになりました。
これによってどのようなことが起きたのかというと、専業主婦などの本人に収入がない状態でカードローンなどを利用していたからは、突然、借入をすることが出来なくなって返済のみの利用というように切り替えられることになってしまいました。
同じようなことが2018年に起きないとも言えませんので、現在の状況を少しでも良くしたいという方の場合は早急に借り換えの手続きをすることをオススメします。
まとめ
いかがだったでしょうか?
借入を一本化する際には銀行が提供している借り換えローンやおまとめローンを利用するケースが多いかもしれませんが、このままだと借り換えをすること自体が出来なくなってしまう可能性があります。
駆け込み需要ということではありませんが、2018年現在、一般のニュースでは取り上げられていない貸金業界が大きく変わる動きがあります。
そのため、銀行で借入金の一本化を検討している方の場合は、出来る限り早く手続きを完了させたほうが良いでしょう。
借り換えを一本化する場合の準備、手続き、注意点はこちらで解説しています。
一本化のメリット・デメリットはこちらです。