カードローンの「一括返済」とは、借入残高の全額をまとめて返済する事です。
一括返済することで借入機関が短くなるため利息が減り、結果として支払い総額が低減する可能性があります。
ただし、資金に余裕がない状況で無理に一括返済を行うと、生活費を圧迫する恐れがあるため注意が必要です。
一括返済を検討する際は収支のバランスをしっかり確認し、無理のない範囲で計画的に進めましょう。
記事の目次
カードローンの一括返済とは?
カードローンの一括返済とは、カードローンの借入残高の全額を一度にまとめて返済する方法です。
ここでいう「借入残高の全額」とは、元金と利息、そして遅延損害金があればその金額を含む合計額を意味します。
遅延損害金とはカードローンなどの支払いが遅れた際に発生するお金の事です。
一括返済を行うと、約定返済(毎月の返済)のみで返済するよりも借入機関が短くなり、支払総額を削減出来る可能性があります。
ただし、家計に無理な負担をかけてまで一括返済を行うと、将来敵に新たな借入を行う事になりかねません。
そのため、一括返済は家計に無理のない範囲で慎重に検討しましょう。
カードローン一括返済のメリット
カードローンの一括返済には、次の様なメリットがあります。
利息額・支払総額が抑えられる
一括返済を行うと、借入機関が短くなり借入金額に対する利息の負担も抑えることができます。
通常、カードローンの返済期間が長くなるほど、支払うべき利息の総額が増えていきます。
一括返済を行う事で長期の利息の増加を避けることができるため、支払総額を抑えることが可能となります。
信用情報に完済履歴が残る
一括返済を行うと、信用情報機関に「完済情報」として記載される場合があります。
信用情報機関とは、クレジットカードやカードローンの利用状況に関する客観的なデータを記録・管理する機関のことです。
カードローンの利用状況には、借入日や借入金額、支払い状況、支払い遅延の情報などが含まれます。
完済情報は、他のローンやクレジットカードの申込や借入限度額の増額申請などの審査で有利に働くことがあります。
完済情報は、「返済能力が高い」というポジティブな指標として評価されるためです。
注意点としては、完済情報はあくまでも「カードローンを完済したこと」のみを示す情報であり、カードローンの解約とは異なります。
完済後、カードローンの解約をするには別途手続きが必要です。
また、完済や解約に関する情報が信用情報に記録されるタイミングは、信用情報機関によって異なります。
完済ではなく解約したタイミングで完済情報が記録される場合もあるため、借入先の金融機関に確認してみましょう。
借入限度額に余裕が出る
カードローンは、借入限度額の範囲内で繰り返し借入が出来るサービスです。
一括返済により、借入金額を全額返済できれば、借入限度額に再び余裕が生まれ、将来的な支出に対応出来るようになります。
このように、借入限度額に余裕を持たせることで、新たな借入を検討する際には、より柔軟に利用する事が可能となるでしょう。
返済をしつづける心理的なストレスが軽減される
一括返済は、通常の返済期間よりも短い時間で借入残高の全額を完済する方法です。
返済期間の短縮により、長期間にわたる経済的負担が軽減され、将来に対する不安が減少するでしょう。
その結果、新たなライフイベントや大きな支出に向けての計画をスムーズに進める事が可能となり、経済的な柔軟性が増すでしょう。
カードローン一括返済のデメリットは?
カードローン一括返済のメリットをご紹介しましたが、次にデメリットについてもご紹介していきましょう。
デメリットに関しては以下の4つがあります。
- まとまった資金が必要になる
- 一括返済のための手続きが必要
- 手数料が発生する場合がある
- 超過返済になることがある
一括返済では、借入残高の全額を一度に返済するため、まとまった資金が必要になります。
資金の用意が難しい状況で、貯金や蓄えを切り崩してまで一括返済を行うと、生活費の確保が難しくなることになりかねません。
さらに、他のクレジットカードやローンの支払いが難しくなる事も考えられます。
資金繰りが悪化して新たな借入を行うと、かえって経済的な負担が増えるリスクもあるため、慎重な検討が必要です。
まとまった資金が必要
一括返済によって借入はなくなりますが、そのためには当然まとまった資金が必要になります。
無理な一括返済を行ったために、生活費が足りなくなってしまっては本末転倒です。
生活費が不足する場合、新たな借入のきっかえになることもあるので、十分に気をつけてください。
一括返済を行うなら、資金に余裕ができた場合にするなど、自身のキャッシュフローをしっかり考えておきましょう。
一括返済の為の手続きが必要
カードローンの返済は、毎月一定額を返済する方式が一般的です。
一括返済の方法は金融機関によって異なりますが、別途振込などの手続きが必要となる場合があります。
振込の場合は自分で金額を指定するため、完済に必要な金額を確認したうえで、確実に入金する事が重要です。
たとえば、振込の際に金額指定を誤って完済できなかった場合、不足分を改めて入金する必要が生じます。
一部のATMでは硬貨の取り扱いがないものもあります。
一括返済する金額に端数が有る場合、紙幣のみで多めに支払って、差額を後日返金してもらうなどの手続きが必要になるため、注意が必要です。
また、カードローンの毎月の返済はATMや口座引落しで行いますが、一括返済の場合は、金融機関によっては、指定口座への振込や店舗窓口での入金等取り扱い方法が異なります。
利用しているカードローンのサイトや問い合わせ窓口を活用して、しっかり事前に確認してみましょう。
手数料が発生する場合がある
カードローンの返済方法によっては、振込手数料やATM利用手数料が発生することがあります。
手数料のかかる返済方法を選ぶと、元金と利息に加えて手数料も支払わなければなりません。
手数料がかかることにより支払総額が増加するため、可能であれば手数料が発生しない返済方法を選択しましょう。
超過返済になる事がある
ATMから一括返済を行う場合に気をつけたいのが、超過返済です。
たとえば一括返済の金額が100,100円の場合、コンビニのATMなどでは硬貨を取り扱っていないこともあるので、101,000円を入金することになります。
この超過分の返還についてはカードローン会社によって違ってきますので、一括返済前には確認を怠らないようにしましょう。
一括返済でどれくらい支払い総額を減らせるかシミュレーションしよう!
カードローンの利息は日割りで計算されるため、返済日が1日でも違えば金額が変わります。
【利息の計算方法】
- 利息=借入金額(借入残高)×金利(年利)×利用日数÷365日
一括返済をすると借入機関が短縮するため、支払い利息が少なくなり、支払い額が低減します。
30万円を定額返済のみで返済した場合、一括返済で返済した場合で、支払総額がどれくらい変わるか検討してみましょう。
定額返済のみ | 一括返済 | |
借入金額 | 300,000円 | 300,000円 |
返済額(月) | 27,007円 | 303,625円 |
金利 | 年14.5% | 年14.5% |
返済期間 | 12ヶ月 | 1ヶ月 |
利息総額 | 24,084円 | 3,625円 |
支払総額 | 324,084円 | 303,625円 |
※シミュレーション結果はあくまでも簡易的な試算であり、お取引状況により実際のご返済金額やご返済期間と異なる場合があります。
シミュレーション結果をみると、30万円を定額返済のみで返済したバイト一括返済した場合を比較すると、一括返済したほうが利息総額と支払い総額はそれぞれ約2万円少なくなる事があります。
利息と支払総額の負担を少しでも減らしたい場合は、無理のない範囲で一括返済を行う事を検討しましょう。
カードローン一括返済の方法
カードローン一括返済の方法は、以下のような流れになります。
- 返済日と必要な金額を確定させる
- 返済方法を選び、完済する
1つずつ詳しくご紹介しましょう。
1.返済日と必要な金額を確定させる
一括返済をする場合、返済日が1日でも変わると必要な金額が変わるため、まずは返済日と完済に必要な金額を確定させましょう。
各金融機関の公式WEBサイトやアプリで残高照会をするか、金融機関に直接連絡して借入残高と利息の合計額を確認します。
金融機関によっては、借入残高を返済後に利息を精算する場合もあります。
完済に必要な金額を確認したら、返済時に間違え無いように、スマホやメモなどに控えておきましょう。
2.返済方法を選び、完済する
カードローンの一括返済の方法は金融機関によって異なり、金融機関窓口などの方法があるので、公式WEBサイトや電話で問い合わせ確認してみましょう。
返済方法によっては手数料が発生する場合があるため、その点も確認が必要です。
カードローン一括返済の注意点やポイント!
それでは、最後にカードローンの一括返済に関する注意点や、ポイントを紹介しておきましょう。
一括返済をしても解約にはならない
一括返済をしたからといって、そのカードローンを解約することにはなりません。
借入残高が無くなるだけです。
したがって、再び借入を行う事もできますね。
解約してしまうと、将来カードローンを使いたくなったときに、また審査を受けなければなりません。
そしてその時に必ず審査に通るとは限らないので、しばらく使わない場合でも手元に置いておくというのもいいでしょう。
ただし、カードローンの契約が残っていると、住宅ローンなどの審査でマイナスの評価を受けてしまう可能性があるので、大きな借入を考えている方は、解約も選択肢に入れてください。
一括返済だけでなく一部返済も考える
一括返済をするお金は用意出来なくても、なるべく早く完済したい。
誰もがそう思うことでしょう。
その場合一括返済ではなく、一部返済(随時返済、繰上返済)を検討するのも手段の一つです。
全額返済まではいかなくても、随時収入があった場合などに、多めの金額を返済していけば、返済期間を短縮することができ、利息を減らすことにつながります。
ただし、カードローンによっては一部返済に対応していない場合もあるので、ご自身のカードローンが、どの返済方法に対応しているか確認しておいてください。
随時返済・繰上返済とは?
繰上返済とは、随時返済とも呼びます。
任意のタイミングで任意の金額を返済します。
カードローンで基本による返済方法は、毎月決まった日に決まった金額を返済する「約定返済」です。
たとえば、毎月20日が返済日で返済金額が10,000円なら、20日までに10,000円を支払うことが約定返済にあたります。
それに対して、任意のタイミングで任意の金額を返済することを「繰上返済」と呼びます。
先程の例のように、10,000円を約定返済したあと、同じ月に30,000円を返済すれば、その30,000円は繰上返済として扱われます。
まとめ
カードローンの一括返済のメリットと、デメリットについてご紹介しました。
メリットは・・・
- 利息額・支払い総額を抑えられる
- 信用情報に完済履歴が残る
- 借入限度額に余裕がでる
- 返済をしつづける心理的なストレスが軽減される
上記のような事が考えられます。
1番のメリットはやはり利息額、支払総額が抑えられるということですね。
利息額は意外と大きな金額になりますし、早めに返済する事ができれば、それだけ総支払い額が減ることに繋がります。
またデメリットは以下のようになります。
- まとまった資金が必要になる
- 一括返済のための手続きが必要
- 手数料が発生する場合がある
- 超過返済になることがある
上記の様なデメリットもあります。
一括返済による手続きが必要だったり、端数による超過返済に鳴ることなどがありますが、それでも総支払い額が減るメリットを考えるとそれほどデメリットでもないでしょう。
とはいえ、今ある生活に必要なお金を無理やり一括返済に充てるというのは違います。
生活が乱れるような一括返済は止めましょう。
無理をしても長続きしませんし、それで違う所から借入してしまっては意味がありませんからね。
無理をせず一括返済できない場合でも、随時返済などをして早めに返済することを考えましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。